Neil and Rush and Me

Neil PeartのドラムとRushの音楽をこよなく愛する大学教員の日記(雑記)帳です。

『History of Economics Review』

僕が書いた英語論文で最初に海外の専門誌に掲載されたのは、The Political Economy of Edmund Burke: A New Perspectiveという論文で、アメリカのジャーナル『MODERN AGE: A Quarterly Review』の第52巻第4号(2010年秋号)に掲載された。このことは2011年8月5日の日記でも書いた。この論文は、順番から言えば、僕が書いた二本目の英語論文にあたるのだが、一本目よりも先に査読をパスして活字になった。

そして、このたび、Malthus's Political Views in 1798: a'Foxite'Whig?と題する論文が、オーストラリアのジャーナル『History of Economics Review』の第56号(2012年夏号)に掲載された。査読をパスしたという通知は2012年3月25日に受け取っていたし、遅くとも今年の1月には拙稿を掲載した号が公刊されていたらしいのだが(慶應の図書館には納品されていた)、何らかの事故が発生したらしく、当該号が千里山の図書館に納品されない状態が長らく続いていた。そしてようやく昨日、当該号が約半年遅れで千里山の図書館に納品され、実物をこの目で確認できた。

2011年11月14日の日記にも書いたけれども、この論文の最初期のバージョンを仕上げて某ジャーナルに投稿したのは、在外研究中の2002年のこと。それからの10年間、3つの異なるジャーナルに投稿し、いずれも惨敗だった。改訂を繰り返し、4度目の正直でようやく活字にできた。これだけひつこくチャレンジし続けたのにはもちろん理由がある。ご指導くださったディキンスン先生の学恩に報いたいという気持ちに加えて、この論文が僕の研究者人生において重要な位置を占めているからだ。自分らしい分析手法や発想が随所に見られて(少なくとも僕自身はそう信じている)、その意味で、どうしても海外に「認めてもらいたい」、いや、「認めさせたい」論文なのだ。そういう強い思いが最終的に粘り勝ちへとつながったのだろう。

先月、パースで発表した新しい論文(Malthus's Criticism of Paine's Rights of Man)は、内容的には、このMalthus's Political Views in 1798: a'Foxite' Whig?の続編にあたる。Political Views論文が評価されたので、「今後もこのやり方で研究を進めても大丈夫だ」という手ごたえが得られた。 この新しい論文もできるだけ早い時期に活字にしたいと思っている。

今日は自分の45回目の誕生日にあたるのだが、この年齢になると(四捨五入すれば50歳ではないか!)さほど嬉しくもないので(それでも祝ってもらえるのは嬉しいけれども)、昨日の喜びを一日遅れで記すことで、今日のエントリーとしたい。

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