Neil and Rush and Me

Neil PeartのドラムとRushの音楽をこよなく愛する大学教員の日記(雑記)帳です。

渡英前日(シドニー120日目)

いよいよ明日、渡英である。日本から行くのに比べて格段に遠く、飛行機嫌いの僕としてはどうしても気が重くなるわけだが、それでもイギリスの学会で発表するのは今回が初めてということもあり、それなりにexcitedしている。

イギリスの学会・セミナーには、過去に3回、一聴衆として参加したことがあるが(2002年、2004年)、当時は議論にまったくついてゆけず、ましてや自分の研究を発表することなど夢のまた夢であった。大いなる挫折感を味わった。2008年からオーストラリアの学会に参加するようになったものの、イギリスの学会は縁遠いままであった。時間的・費用的な問題ゆえ、一年に何度も海外へ飛べないので、当面は自分を受け入れてくれているオーストラリアでしっかりと足場を固めるべきだろうと判断した。それから7年が過ぎた。足場をだいぶ固められたような気がするし、たまたま今年のHETSAで発表できなかったため、「在外研究期間中に一度くらい英語で発表しておきたい」と思って別の機会を探したところ、イギリスの学会が日程的にいちばんぴったりだった。

シドニーからマンチェスターまではたいへん遠いので少し悩んだが、「そろそろ本丸(自分の研究対象の国であるイギリス)に乗り込むべき時期かもしれない」という思いが強くなり、報告を申し込み、無事にアクセプトされた。一報告につき45分という持ち時間はオーストラリアの倍もあり、数年前であれば質疑応答が怖くて申し込めなかったはずだが、今やその恐怖も薄れてきた。Hさんにつきあってもらい、予行演習を入念に行うことができた。おおこけしない程度には何とかやりきれるだろう。今回の学会ではイギリス人の経済思想史研究者の友人を一人でもたくさん作りたい。

今日は午前中を渡英準備にあてた。明日の16時出発なので、急ぐ必要はないのだが、研究室に必要なものを置き忘れていた場合に取りに行く時間を残しておきたかったので、早めに準備を始めた。衣類の仕分けと洗濯。8日間空けてしまう下宿の掃除。

すべてがスムーズに進んで、13時前に終わってしまった。ぽっかりと空き時間が生まれた。無為に過ごすのが惜しい晴天の日曜日だったので、予定になかったが、急遽Milsons Pointの市民プールで泳ぐことにした。1時間、たっぷり泳ぐ。それを終えてもまだ15時半くらいで、帰宅するには早かったので、これまた予定になかったが、気まぐれでWatsons Bayへ。

Watsons Bayは、一昨日のMatthewとの面会の際に彼が「いいところだよ」と言っていた、シドニー湾の南の入り口にあたる地区である。Circular Quayからフェリーに乗って20分くらいで着く。もう夕方だったので長居するつもりはなかったが、Hさんと近日中に訪れるつもりだったので、下見をしておこうと思った。とはいえ、予備知識ゼロで、ガイドブックも何も持たずに来たので、あてもなくぶらついただけ。それでも、十分に楽しめた。wharfに隣接する形で、美しいビーチと緑地公園が広がる。ビーチ沿いにシーフード・レストランが何軒かあり、どこもたいへん賑わっていた。せっかく来たので、シーフードを食べて帰りたかったが、明日から8日間留守にする下宿の冷蔵庫を空にする必要があったため、仕方なく断念する。

帰りは、これまた気まぐれで、フェリーでなくバスに乗ってCircular Quayを目指したが、乗車数分後、突然目の前に断崖絶壁が開けて驚いた。実はWatsons Bayは断崖絶壁でも有名な場所だった。突然のことだったので、こちらのほうは写真なし。次回訪れた時に写真に撮って、このブログで紹介したい。

バスの車窓から断崖絶壁が見えた瞬間にいきなり思い出した。「7年前(2008年、初めてシドニーを訪れた時)、Matthewが車を出して(Bondi Beachとともに)案内してくれたのはここや!この場所や!」

なお、渡英中は更新をお休みさせていただきます。