Neil and Rush and Me

Neil PeartのドラムとRushの音楽をこよなく愛する大学教員の日記(雑記)帳です。

経済学史学会第125回西南部会@福岡女学院大学

福岡女学院大学


経済学史学会西南部会で研究報告を行うために福岡へ。西南部会に参加するのはまだ院生だった1997年以来21年ぶりとなる。

今回報告するのは9月にオーストラリアで報告予定の論文の日本語版である。オーストラリアで報告する前に日本人研究者の反応を知っておきたくて、報告機会を探していたところ、たまたま西南部会に報告枠の空きがあった。僕は関西部会に所属しているが、共著者のOZWさんが西南部会所属ということもあって、一緒に報告させていただくことになった。

2週間前のマルサス学会での報告と同様に、今回も若手研究者とのコラボレーション(論文の共同執筆)である。増え続ける校務のためにまとまった研究時間が確保しづらい状況下でコンスタントに研究業績を産み出すためには、やはり何らかの工夫が必要で、その一つがコラボである。繁忙期で研究を進めることが難しい場合、共著者にうまくバトンタッチすればよい。繁忙期が重なりさえしなければ、論文の改訂作業がストップすることはない。経験上、海外ジャーナルに投稿した論文の改訂作業が校務の繁忙期と重なってしまうと心身ともにたいへん厳しい状況に追い込まれるので、コラボはそうしたリスクを軽減してくれる。もちろん、コラボの効用はこれにとどまらない。今回の報告論文の場合、なまじっかマルサスについてあれもこれも知っているだけに情報を詰め込み過ぎてしまいがちな僕の草稿に対して、マルサス研究プロパーではないOZWさんが情報の過不足を客観的に指摘し、議論の幹と枝を冷静に仕分けしてくれた。自分一人で書いていた去年8月の原稿と今回の原稿を比べると、論文としての質が飛躍的に向上していることは一目瞭然である。まさしくOZWさん効果である。

さて、8時前に京都の自宅を出て、12時半に会場の福岡女学院大学に到着。山笠祭と重なったために、ホテルも新幹線も確保に少し苦労した。都心部のホテルは部屋が残っておらず、やや郊外のホテルとなった。また、新幹線は希望の列車の指定席が満席で、一本早い列車のC席となった。

出席者13名。われわれの報告は全4報告のうちの3番目だったが、期待以上の好評で、質疑応答も活発であった。マルサス研究の大御所YNGTさんが司会を務めてくださったこともありがたかった。自信になった。これで(英語力の問題を除けば)安心してオーストラリアへ飛べる。

懇親会で食べた魚はどれもおいしかったが、あの甘い醤油がどうしても自分の舌に合わない。九州へ来るたびに感じる贅沢な不満である。