Neil and Rush and Me

Neil PeartのドラムとRushの音楽をこよなく愛する大学教員の日記(雑記)帳です。

日本アダム・スミス学会設立準備集会

日本アダム・スミス学会設立準備集会@同志社大に参加する。ゼミ合宿の日程が決まるのに時間がかかり、出欠の返事がなかなかできなかったが、結局合宿が11/3-4になったため、出席することができた。

マルサス学会から多大な恩恵を被っている身としては、こういうテーマを限定した学際的で小規模な学会の存在意義は十分に理解しているつもりだ。ただ、学会の乱立は事務作業の増大を伴うので、その負担が恩恵を上回っては設立の意味がない。残念ながら、その負担が広く薄く多くの会員にシェアされることがない(=一部の中堅・若手に集中してしまう)、というのが学会運営における経験上の真実なのだ。学会は設立よりも持続のほうがはるかに難しく、持続的な組織にするためには事務作業のスリム化・効率化が死活問題である。特定の会員の無償労働を前提とした組織運営はまったく持続的でない。その点については、最初だからこそ、うるさいくらいに注意を促させてもらった。

すでに3つの学会で役員を兼任しており、4つ目の依頼は「さすがに無理」ということで断らせてもらった、という個人的経緯もある。今回は主たる発起人が恩師のTNK先生ということで、「協力しない」という選択肢は最初からなかったが、安請け合いしてパンクする危険性も低くなく、慎重な行動が自分自身にも求められた。僕の抱いている危惧は、かなり参加者の多くに理解されたのではないか。何とかして軟着陸させたい。

集会後半の研究会のほうの3報告はいずれも良かった。倫理学のTGさんの報告・リプライから特に多くの刺激を受けた。学際的で小規模な学会の存在意義は確かにある。ただ、最初は可能なかぎり研究会に近いレベルからスタートさせるべきという私見は変わらないし、実際、その方向に誘導できたように思う。*1

【8681】

*1:NIMRさんの「ヒューム研究学会の組織運営を参考にすべき」というご意見は卓抜だったように思う。学会組織のことをよくわかっていらっしゃる。