Neil and Rush and Me

Neil PeartのドラムとRushの音楽をこよなく愛する大学教員の日記(雑記)帳です。

来日中のTony Endresさんと宇治へ

HETSA(オーストラリア経済学史学会)の中心メンバーであるTony Endresさん(オークランド大、ニュージーランド)*1が11月9日から来日中で、今日が来日期間中(16日まで)で唯一の京都滞在日である。京都滞在の主たる目的は、わが国の経済学史研究の重鎮YG先生(大津市在住)と会って、彼の研究テーマであるCarl Mengerに関する資料を譲り受けることにあるが、「Nobuも時間が許すようなら会わないか。日豪合同会議の話も直接したいので」と僕に連絡をくれた。たまたま授業も会議もない日であり、この9月のHETSAに体調の都合で参加できなかったので、喜んでお誘いに応じた。僕と同じ(日本の)経済学史学会常任幹事でTonyさんとも親しいITさんも時間の都合が付き、東京から来てくださることになり、結局4人での会合となった。

京都駅に集合し、午前中はMenger研究に関する学術的なミーティング。僕とITさんは専ら聞き役。YG先生は正午過ぎに帰宅され、残った3人で宇治へ。*2当然、平等院へ案内することになるが、すでに紅葉が始まっており、しかもTonyさんが日本庭園や盆栽をお好きなこともあって、たいへん喜んでいただけた。

平等院の参道はお茶づくし。参道にお茶のにおいが漂っているのには風情も感じられたが。「以前はこんなにお茶まみれだったっけ?」と思わず首をひねるようなメニューも時折視界に入ってくる。

日豪合同会議についての意見交換を含めつつ、久々に旧交を温めることができた。英語でのオーラル・コミュニケーションは2019年9月のHETSA@シドニー以来のことで、最初の1時間ほどは少しモタモタしたが、ほどなく以前の勘を取り戻せた。(と言っても会話は相変わらず超下手である。下手なのを気にせずに会話し続ける図太さが戻ってきたにすぎない。)16時前に京都駅へ戻り、16時30分発ののぞみで東京へ戻られるTonyさんを新幹線の改札まで案内し、お別れする。

自分がオーストラリアやニュージーランドの地を次に踏めるのがいつになるのかが皆目わからない(もしかしたら今後無理かもしれない)状況なので、HETSAでともに研鑽に励んだ研究者仲間と日本で、京都で、会えるのは本当にうれしい。「英語での研究活動を続けて来て良かった、これからも何とかがんばって続けよう」と改めて実感させられる1日であった。

「これからはロシアの経済思想、特にレーニンについて書くつもりだ、実は今ロシア語を勉強中なんだ」とTonyさんに言ってしまった手前、遠からず英語でのペーパーを仕上げなければならないな。

【10143】

*1:https://profiles.auckland.ac.nz/a-endres

*2:Tonyさんは来日経験豊富で、京都の名所もすでにかなり回っておられるが、宇治は未経験であることがわかったので。