Neil and Rush and Me

Neil PeartのドラムとRushの音楽をこよなく愛する大学教員の日記(雑記)帳です。

卒業論文報告会(最後の授業参観)

卒業論文報告会


3期ゼミ生の卒業論文報告会を開催した。この報告会は昨年度(2期生)から行っているもので*1、2年半に及ぶゼミ活動の総決算である。経済学部教員とゼミ生のご父母には「公開します(参観してください)」という趣旨の案内状を送付することにしている。ご父母にとっては息子・娘の通う学校に参観に行く事実上最後の機会となる。そこでこの報告会を「最後の授業参観」と銘打っている。

今年は昨年以上に盛況だった。報告者12名に対して42名*2もの参観者があった。はるばる岡山から、福岡から、足元の悪い中*3を参観に来てくださったご父母もおられた。本当に感謝の気持ちでいっぱいだ。アンケートで明らかになった指導・運営上の不備は、来年度以降の報告会の充実によって償いたい。

個人的にはK藤さんの報告をいちばん高く評価したい。中間報告時の内容上の問題点が大幅に改善されていた上に、オーディエンスを聞こうという気にさせる心地よい語り口だった。自分がしばしば学会報告を行っているから余計にそう思うのだが、報告は「聞かせてナンボ」である。聞こうという気にさせることが何より大事なのだ。そういう意味では、F森君、Hまきこさんの報告も大いにオーディエンスを刺激する「聞かせる」ものだった。

論文の内容としていちばん気に入っているのはF田さんのもの。完成度云々は別にして、素朴な「なぜ?」をとことん掘り下げるという僕のゼミ運営方針に、いちばん忠実に書いてくれたと思う。数年後、十数年後に読み返して「あの頃、僕(私)はこんなことを考えていたんだ」と思い出すような論文、書き手の実存がじかに伝わってくるような論文が好きなのだ。Y村君の論文もその類いだ。自分が真に切実に関心を持っているテーマでないと、1年以上もつきあえないからね。

果たして後輩ゼミ生たちはそのことに気づいてくれただろうか?

何はともあれ、終わった。3期生は1月31日の卒論原稿提出と3月20日の卒業式を残すのみとなった。脱落者ゼロ。まず間違いなく全員に卒業証書を渡すことができそうだ。素直に嬉しい。しかし余韻に浸っている暇は僕にはない。明日から、4期生を最上回生にふさわしい知性と人格を備えた存在へと高めるために、あえて皮肉な言い方をすれば、サルを人間にするために*4、新たな苦闘の日々が始まる・・・なんて格好いいことを書いて終わりたかったのだが、さすがに今日は疲れた。明日はゆっくり休もう。

追伸:今日は僕が20年来応援しているプログレ・メタル・バンド「ドリーム・シアター」の大阪公演の日だ。もちろん前売りチケットを買っていたが、報告会の開催が今日を除いて不可能であることが判明したため、やむをえず手放した。つらい決断だった。

*1:もともとは経済学部の同僚H野先生からアイディアを授けていただいた。

*2:現役ゼミ生22名+卒業生4名(大学院生を含む)+ゼミ生のご家族の方々14名+経済学部教員2名

*3:今日は朝から雪が降っていた。卒業旅行も雪。最後の授業も雪。そして報告会も雪。本当に3期生は雪づいている。

*4:反省だけならサルでもできるから。もう反省は聞き飽きたのだ。