Neil and Rush and Me

Neil PeartのドラムとRushの音楽をこよなく愛する大学教員の日記(雑記)帳です。

ASIA@大阪厚生年金会館

ASIA JAPAN TOUR 2007


昨日は深夜まで原稿書きに勤しんでいたので、今日はかなり遅い起床となった。大学には行かず、自宅で引越関係の雑務を少し。そして執行部会の資料の作成。夕方から大阪厚生年金会館へ。

ASIAのデビュー25周年記念ライブ。オリジナル・メンバーでは初めての来日となる。先日の野村監督の発言「マー君、絶好調」になぞらえるならば、「トンちゃんとパー君、絶好調」といったところか。期待をはるかに上回るライブだった。

期待値が低かったことは確かである。前回2003年にJohn Wetton(b, vo)がソロで来日した時に見に行ったが、あまりにも醜いライブで言葉を失った。目を覆いたくなるほどの肥満体になっていたうえ、アルコール中毒を患って精神的にも沈んでいたのだろうが、歌詞は覚えてないわ、声は出ないわ、途中で帰りたくなった。ASIAとしてはSteve Howe(g)を抜いた3人で1990年に来日しており、それも見に行ったが、Carl Palmer(ds)のリズム感のなさとテンションの低さがやたらと気になった。「下手だ」と思ったのだ。

ところが、この二人が見違えるようなプレイを披露してくれた。Wettonには美しく骨太なハイトーンボイスが復活していたし、Palmerもプレイに安定感を取り戻していた。そこにHoweの個性的な(個性的すぎる)フレーズが絡まり、ASIAらしい音が復活した。

もともとはWettonとHoweの主導権争いが原因でオリジナル・ラインアップは崩壊したのだった。この二人が関係を修復するのに25年近い歳月を必要としたのは残念なことだが、時の流れが人間にこうしたいい意味での「まるみ」をもたらしてくれるのなら、年をとるのもあながち悪くない。4人のメンバーの人間関係の良好さが客席からでも容易に見て取れた。全員がMCを担当していたくらいだし。

しっかりリハーサルを重ねたのだろう。ファースト・アルバムの9曲からのはいずれも素晴らしいできばえだった。特に「One Step Closer」はWettonとHoweの関係修復を象徴する一曲で、聞きながら感動していた。サービス心から演奏してくれたYESの「Roundabout」のアンサンブルはかなり危なっかしいものだったが、EL&Pの「庶民のファンファーレ」は持ち曲と呼びうるほどに今の彼らに馴染んでいた。体調不良を忘れさせてくれる素晴らしい一夜だった。

ちなみに、体力回復も兼ねて、淀屋橋駅から肥後橋経由で厚生年金会館まで30分ほど歩いたのだが、四ツ橋筋には面白そうな店が案外たくさんあるのを知った。また機会を見つけて探検したいと思った。