Neil and Rush and Me

Neil PeartのドラムとRushの音楽をこよなく愛する大学教員の日記(雑記)帳です。

査読パス(小さいながらも大きな一歩)

現在投稿中の2本の英語論文(バーク論とマルサス論)のうち、バーク論のほうが査読(匿名レフェリーによる審査)をパスして、晴れて掲載される運びとなった。もちろん初めての経験である。自分の論文が海外の専門雑誌に掲載され、世界中の研究者に読んでもらえるようになるわけだから、言葉では言い表せないくらいに嬉しい。しかし、「やった!」と同じくらい「やっと・・・」という気持ちもある。エジンバラに留学してから8年、英語を勉強し始めてからだと30年もの歳月が経過しているわけだから。

マルサス論のほうはすでに2度リジェクト(掲載拒否=落選)され、現在、某雑誌に3度目のチャレンジをして、その結果を待っているところだ。こちらのほうはもともとエジンバラで書いた論文なのだが、8年たってもいまだに査読をパスできない。悔しいけれども、これが現実なのだ。粘り強く改訂作業を続けるしかない。対照的にバーク論のほうは、去年の今頃に書いていた論文で、マルサス論と比べるとかなり年季が浅い。それなのに一発で査読をパスしてしまった。雑誌およびレフェリーとの相性に恵まれたことは間違いないだろう。

掲載を前提として細部の表現を修正するようエディターから要求されたので、今日一日をその作業に費やした。「確かにこの言い回しのほうが英語として自然だよなぁ・・・」と感心させられることばかり。30年勉強してこれだから、日本語と同じように英語で論文を書ける日なんて永遠に訪れないことはわかっているし、それが情けなくもあるけれども、それでも今回の査読パスは僕の研究者人生にとって小さいながらも大きな一歩だ。ようやく海外の研究者に手渡せる自分の「名刺」を作ることができたのだから。

同僚のS里さん、親しくおつきあいさせてもらっているI藤さんは常に海外を意識した研究を行っている。年齢も専門分野も近いお二人の存在は僕にとってこの上なく大きな刺激になっている。本当に感謝している。また、今回パスしたバーク論の口頭発表を行った際、貴重なコメントを賜ったT堂さんとI井さんにも感謝したい。

やっぱり研究は一人じゃできひんわ。

【6964】 腹筋4セット。