Neil and Rush and Me

Neil PeartのドラムとRushの音楽をこよなく愛する大学教員の日記(雑記)帳です。

今日のBGM

1曲目の「歌声よおこれ」でいきなり脳天を叩き割られた。一聴して素直に「格好いい」と思った。2度、3度、4度と繰り返し聞いた。なかなか2曲目に進めなかった。こんなことは最近ではめったにない。
サンボマスターの音を説明するのは意外に難しい。時に熱く激しく、時に切なく、時に気恥ずかしいほどに賑やかに、あまりにもまっとうにロックしている。昨年イギリスでブレイクしたThe Darknessの音に近いかもしれない。まっとうすぎるロックは時代遅れに響く可能性が高い。The Darknessなどはそういうふうに受け取られて、長い不遇の時代を送るはめになった。*1サンボマスターもその危険性と隣り合わせだった。しかし、ラッキーなことに、人々は彼らの音を受け容れた。
ハード・ナンバーもバラードもあるが、楽曲はいずれも情熱的でハイ・テンションだ。ハード・ナンバーにおける緊張感と疾走感は圧倒的で、The Policeの初期の名曲‘Next to You’に匹敵するほどだ。ギターのカッティングの切れ味も尋常ではないが、それに加えてヴォーカルもとてもいい。Freddie Mercuryのように、情熱的な曲はより情熱的に、切ない曲はいっそう切々と歌い上げる。ファンが一緒になって歌いたくなる曲ばかりなので、ますますQueenっぽい。しかし、どことなしに日本情緒が残る曲調でもあるので、時に忌野清志郎のように、時に泉谷しげるのようにも響く。CDの帯のコピー「日本語ロックの歴史が塗り変わる時が来た」は決して誇張ではない。「汚れきった僕」「よこしまな僕」といった歌詞が耳に残って離れない。
でも、いちばんインパクトが強烈だったのは、メンバーの普通すぎる(?)風貌*2と非凡な音とのギャップかな。

*1:僕は2003年3月にブレイク前の彼らのライブをグラスゴーでたまたま見ることができた。Def Leppardのライブの前座だったのだが、周囲の観客の多くは「David Lee Rothみたい」とか言って笑っていた。明らかに「2003年にもなってそんなに古い音楽やってちゃ売れないのも当然だよ」といった雰囲気だった。

*2:http://www.sambomaster.com/bio/index.html