Coverdale & Pageなのだが、「はまぞう」で出せない。なんと廃盤になっている。なぜだ!?
似非ツェッペリンなんかでは断じてない。David Coverdale の作品としては、大ヒットした「サーペンス・アルバス」(1987)以降のベスト・ワークと言ってもよい。
このアルバムでのカヴァデールはロバート・プラントを強烈に意識している。物まね選手権に出ればかなりいい線まで行くだろう。それくらい似せている。彼の声は中低音域も素晴らしいのに、高音域ばかりで歌っている。そこは残念に思う。でもヴォーカル・コンディションそれ自体は絶好調だ。尊敬する大先輩の期待を裏切らないよう、一生懸命に歌っている姿が目に浮かぶ。曲調はZEP寄り。具体的には「フィジカル・グラフィティ」にかなり近い。ペイジ主導かな。しかしこのアルバムには「ツェッペリンぽい」以上の「何か」がある。
3曲目の‘Take Me For A Little While’は、このアルバムの中では僕の一番のお気に入りで、その「何か」を端的に表現しているナンバーだ。カヴァデールとペイジが組んでこんな曲が生まれると誰が想像しただろうか。ツェッペリンからもホワイトスネイクからも遠い。ジェネシス、いや、より正確にはマリリオンに近い。スティーヴ・ホガースが歌ってもしっくりくる、プログレ・ファンにも訴える音だ。こんなに新しい音を創造できるのなら、1回きりのプロジェクトで終わらせずに、2枚目、3枚目と作り続けて欲しかったものだ。
間違いなく名盤。しかるべき評価が与えられるべきだと思う。