半ばゼミ生への私信として。
企業セミナーへと足を運ぶ学生の姿を最近あちこちで見かけるようになった。いよいよシーズン東大ですな。僕の個人的意見では、セミナーに行くのは「ほどほど」にしておくほうがよい。大学受験の際、オープン・キャンパスに足しげく通っても、受験生としての学力が伸びるわけではないでしょう。「・・・大学にどうしても行きたい」という気持ちが高まって、勉強にますます身が入って、それではじめてオープン・キャンパスに行った意味がある。企業セミナーも同じ。いろいろなセミナーに顔を出すこと、企業訪問の予定でスケジュール表をいっぱいにすること自体にはほとんど意味はない。内定をもらうことが目的化してしまう危険性もある。
就職活動を成功させる秘訣は、一見遠回りなようだけれど、きちんと普段の勉強を継続することだ思う。読んで、考えて、発言して、聞いて、言い直して、粘り強く議論して・・・を習慣化すること。だって企業に入ってからただちに役立つスキルでしょ?入ってからが大事です。
就職してから「しまった。こんなはずでは・・・」とならないためには、働いている自分の姿を具体的にイメージできることが大事。インターンシップを利用しなくても、読書によって簡単にシュミレーションできる。城山三郎などの企業小説などを読んで、登場人物の喜怒哀楽に感情移入できたなら、それだけですでに他の学生より頭一つ抜きん出ている。ついでに業界情報の基本も手に入る。
友人とのつきあいでセミナーに行くくらいだったら、その時間を企業小説や企業ノンフィクションを読むのに充てるほうが絶対によい。2月・3月は春休み。授業がないのだから、バイトさえ入れなければ、小説なら1日か2日で読める。これを使わない手はない。学生の最大の資産は潤沢な時間。その時間の本当の使い方をわかっていない学生が多いのは残念だ。時間を気にせず自分の納得のゆくまで考え抜くなんて、もう今しかできないよ。
nakcazawaの言っていること、いまいちピンとこない、納得できないという人。あなたと僕とはミスマッチですね。
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