Neil and Rush and Me

Neil PeartのドラムとRushの音楽をこよなく愛する大学教員の日記(雑記)帳です。

明日から日本脱出

耳鼻科経由で大学へ。午前中は図書館の書庫で論文改訂に利用できそうな参考文献を物色する。古書店巡りでも同様なのだが、予期せぬ意外な発見が大なり小なり必ず伴うので、本当に楽しいひと時である。

1956(昭和31)年に公刊された堀経夫*1『イギリス社会思想史概説』という古い書物の中に、短いながらもトマス・スペンス(の土地公有)論が収められていたのに驚いた。スペンスはエディンバラ留学時の恩師であるディキンスン先生が精力的に研究していた思想家の一人だが、日本での先行研究は『近代土地改革思想の源流』(四野宮三郎訳)くらいしか僕は知らない。それくらい研究されていない。昔の偉い先生の研究は本当にかゆいところまで手が届いている。僕自身、いつかスペンスの研究に乗り出したいと思っているが、まずはバーク&マルサス研究に一区切りつけないと。まだまだ先になりそうだな。

5期生の卒業論文の初稿提出の締切が迫っている(9月12日)。「誰か一人くらい図書館で勉強していないかな?」と期待して図書館を巡回してみたけれども、期待外れだった。みんな、もっとまめに図書館を利用しよう。施設利用費も授業料に含まれているのだから。

午後はひたすら論文執筆に励む。これまで幾度となく読み返してきた(しかしそのわりにはなかなかすっきりと理解に到達できない)マルサス『経済学における諸定義』だが、突如として新しい読み方の手がかりを見出す。長らくばらばらだったジグソーパズルのピースがようやくつながりそうな予感。

さて、明日から10日まで日本を脱出してつかの間の休暇を過ごす。日記の更新も休止します。

*1:僕が所属している「経済学史研究会」の主催者・T中敏弘先生の師匠にあたる。