Neil and Rush and Me

Neil PeartのドラムとRushの音楽をこよなく愛する大学教員の日記(雑記)帳です。

拙著にまつわるエトセトラ

  • 2000年2月に中野好之先生の編訳による『バーク政治経済論集―保守主義の精神』が公刊された。『フランス革命省察』以外のバークの主要著作が数多く収録されている。この『論集』が公刊されるまでバークの難渋な英語と悪戦苦闘して論文を書いていた身としては、その公刊を歓迎したけれども、今回自分の本をまとめていて、やや複雑な気分になった。バーク自身の著作からの引用に注を付すに際して、邦訳が存在している場合は、当然邦訳のページも付すことがマナーなので、結果的に、2000年以前に書いた論文までも、既存の翻訳に頼りっぱなしで研究していたかような外観になってしまった。難渋な英語と格闘した痕跡が消えてしまうのは、何だかとても寂しい。これがつまらないこだわりであるのはわかっているのだが・・・。
  • 献本を130冊用意したけれども、まったく足りなかった。申し訳ないと思いつつも、(主として関東在住の)年長の先生方には、その財力を鑑みて、あまり献本できていない。本来であれば、お世話になった先生方(論文にコメントをいただいた先生、学会報告で司会を務めていただいた先生、等々)にはもれなく献本すべきだが、今回は関西在住の後輩院生への献本を優先させていただいた。これからの学会を担う(≒学会運営に協力してくれる)方々にこそ読んでもらいたいと強く思ったからである。定職に就いていない状態で五千円以上もする本を買うことの大変さは、僕自身がかつて経験したことでもあるから、よくわかっているつもりだ。