Neil and Rush and Me

Neil PeartのドラムとRushの音楽をこよなく愛する大学教員の日記(雑記)帳です。

2009年度の目標&中長期的目標

次に大学に行くのは4月1日になりそう。いよいよ新しい年度が、新学期が始まるわけだ。

単著の出版が2月末だった関係で、年末から年始にかけて切れ目なく仕事をしていた。年の変わり目にリセットボタンを押せなかったので、年度の変わり目にリセットボタンを押して、新しい目標を立てたいと思う。

単著の出版によって16年間取り組んできた研究テーマに一応の区切りをつけることができた。これから中長期的に取り組むべき新しい研究テーマを考えてもよい時期となった。もちろん、まったくゼロから始めるわけではなくて、これまで取り組んできたテーマの延長線上なのだが、新しい研究テーマとして今のところ以下の2つを考えている。

1つは、フランツ・アントン・メスメル(ウィーン出身の医師で、催眠術によって神経症の治療を行ったことで有名)の生涯と思想を、フランス革命思想およびイギリス保守思想との関係から考察してみること。もう1つは、中国においてマルサスの人口思想が果たした役割を、馬寅初(「中国のマルサス」と呼ばれた経済学者)の生涯と思想を手掛かりとして思想史的に跡付けてみること。どちらもまだ着手していないので想像の域を出ないけれども、フランス革命期のイギリス思想を研究したからこそ新しい光を当てられるテーマだと思う。

2009年度は、そのための基礎学力を鍛えるために、フランス語と中国語の勉強に力を注ぎたい。さしあたり、4月から某公共放送の語学講座を始めるつもりだ。フランス語のほうは、まったくの初心者と言ってよい。これまで3度ほどチャレンジしているが、いずれも肌に合わず1か月ほどで挫折した。今回こそリベンジなるか? 中国語のほうは勉強「再開」と言ってよい。12, 3年ぶりになるだろうか。恩師の一人であるH先生(東アジア経済史)の大学院ゼミに参加する上で中国語(or韓国語)が必要とされたので、それなりのエネルギーを注いで勉強していた。当時は中国語で書かれた経済論文も何とか読んで理解できていたから、半年ほど本腰を入れて勉強すれば、当時のレベルくらいまでには復帰できるのではないかと気楽に構えている。

かつて僕にとって東アジア研究は副専攻のようなものだった。卒業論文はH先生の指導下で東アジア経済史(綿織物市場)をテーマとして書いた。ここ十数年、「いつか機会があれば東アジア研究に復帰したい」と密かに思っていた。しかし、その機会はなかなか訪れなかった。研究上の接点が見つけられなかった。単著を書き上げて、ようやく「接点」を見つけることができた。

東アジア関係の文献はここ数年まったく読んでいないので、2009年度は、中華人民共和国史を中心に、少しずつ知識の欠落を埋めてゆきたいと思う。思想史研究に従事していたから、やはり文化大革命には強い興味がある。隣国のことをもっと知りたい。

2009年度は授業のコマ数も増えて*1、自由な勉強に使える時間は以前よりも大幅に少なくなりそうだが、何とか時間を工面して、新しい研究のための堅固な基礎を築いてゆきたい。もちろん、ワーク・ライフ・バランスも忘れずに。遊び目的の旅行にも久しぶりに行きたくなってきた。