Neil and Rush and Me

Neil PeartのドラムとRushの音楽をこよなく愛する大学教員の日記(雑記)帳です。

うっかりミス連発(シドニー6日目)

今日の昼食


無意識のうちに「そろそろシドニー生活にも慣れてきた頃だな」などと慢心し始めていたのだろうか。油断大敵。今日はうっかりミスを連発する一日であった。

出勤。バス停へ。手帳を取り出して系統番号を確かめるのがめんどくさかったので、うろおぼえでやってきたバスに飛び乗ったら、実はそれが急行バスで、そのまま一気にセントラル駅まで運ばれてしまった。本当はシドニー工科大学(UTS)の前で下車したかった。仕方がないのでUTSまで戻ったら、今日はちょうど卒業式の日のようであった。

初めてUTSのキャンパスの中に入ってみた。外から見ると単なるビルの集積のように見えたが、実際は意外に広いし、緑もある。

UTSの中に入ったのはもちろん用事があったからだ。実は下宿からいちばん近いチケットのプレイガイドがUTSの中にあるのだ。16日のモトリー・クルーのライブのチケットが余っていないかどうか知りたかった。しかし、UTSの中に入っているのはTicketmasterという会社で、この会社ではモトリー・クルーのライブのチケットを窓口で取り扱っていなかった(on lineのみ)。

http://www.allphonesarena.com.au/Event_Calendar/Motley_Crue.aspx

ここで次の失敗。UTSのトイレに入って用を足そうとしたら、事の終わった後で紙がないことに気付いた。ほとんど「人間やめますか?」状態だったが、隣の個室の学生に対して壁越しに「Help me! There is no toilet paper!」とお願いした。すると親切にも壁の下の隙間から紙を投げ入れてくれた。「You're a life saver!」とお礼の言葉を述べた。

UTSを出て、次はシドニー大学へ。その間、徒歩で15分くらい。membership cardを発行してもらうためだが、発行窓口のstudent centreが見つからず右往左往する。建物はわかっていて、目の前に建っているのだが、工事中のためドアがことごとく閉鎖されていて、どうしても入口が見つからない。学生に助けを求めてようやくstudent centreにたどりつく。

シドニーは坂のとても多い街だ。student centreが入っている建物は斜面の上に建っているものだから、北西側の入口は建物の3階にあるのに、南東側の入口は1階にある。入口の前を走っている道路の高さが全然違うのだ。membership cardの発行は瞬時に終わったが、student centreを探すために同じ建物の中を何度も上下するはめに。さすがにへとへとになった。シドニー大学の周辺は本当にこんな坂道ばかり・・・きつい・・・。

UTSとシドニー大を経由したため、ATPの研究室に到着した時にはすでに11時半を過ぎていた。今日から研究室では(昨日買った)スリッパを履くことにした。一日中靴を履きっぱなしというのは、さすがに足への負担が大きい。

仕事関係のメールを処理して昼食。学食のチキン・カレーをtake awayで。シドニーに到着してから初めての米食である。なかなかおいしい。しかし、付いてきたのはなぜかプラスティックのナイフとフォークのみ。なんでスプーンがないんやろう?

昼食後、Redfern駅近くのATMへ。シドニーに到着してからお金を引き出すのは初めてだが、すんなり成功した(当たり前か)。

14時半から17時半までシドニーの研究室と千里山のゼミ教室をスカイプでつなぎ、13期と14期のゼミを見る。やはりトラブル発生。音声データのほうはすんなりやりとりできたが、画像データのほうがなかなか送られてこない。しかし、14期の終盤になって、ようやく完全な状態でつながった。nakcazawaゼミ史上初めての試みだったが、何とか次週以降もこのやり方で指導を続けられそうだ。生身の指導教員がゼミ教室にいないにもかかわらず、ゼミ生たちは「学生主体」でしっかりと活動してくれていることがわかり、とても安心した。ゼミ活動のクオリティはまったく下がっていない。これは何気にすごいことだと思う。自慢できる。

このブログにはまだ書いていなかったが、家主のGarethの本職は自作自演のコメディアンである。今晩、彼のライブ(http://www.factorytheatre.com.au/events/2015/05/06/gareth-ocomedy-roadtorio )があるので、せっかくの貴重な機会なので、見に行かせてもらうことにした。*1

研究室のあるATPから会場のFactory Theatreまでは直通のバスのルートがあったので、それに乗っていけば楽だろうと高をくくっていたら、そのルートは終バスが18時台で、実際には使えないことが夕方になってわかった。そこで、ATPの最寄駅のRedfernから2駅先のNewtownまで電車に乗って、そこから20分くらい歩くことを決めた。しかし、ここでまたまた失敗をしてしまった。Redfern駅から各駅停車(All stops)に乗るべきところを間違えて快速(Limited stops)に乗ってしまったのだ。これがRedfern駅の案内表示板である。11分後に到着する次発のHomebush行きに乗るべきだったのに、先発のGlenfield行に乗ってしまったわけだ。

朝のバスとまったく同じミスである。Newtownから5駅も先のAshfieldまで行ってしまった(引き返した)。証拠写真である。

早めに研究室を出たのに、ここでかなり時間をロスしてしまった。しかもNewtown駅からFactory Theatreまでの道程も、道を一本間違えてしまい、遠回りをしてしまった。結局、到着は開演ギリギリになった。でも、何とか間に合った。これが会場のFactory Theatreである。

Garethはキャパ50名くらいの特設ステージに立っていた。僕の現在の英語力ではGarethの話している内容の2〜3割程度しかわからないが、オーストラリアとブラジルの国民性の比較をして(Garethの奥さんはブラジル出身)、ブラジル人を一見バカにしながら、実はブラジル人をバカにしているオーストラリア人を皮肉っているような内容だったと思う。日本だと誰の芸風に近いかな・・・ゼンジー北京あたりかな(ふる〜)。

実は昨晩、突然Garethに尋ねられた。「"awesome"は日本語で何て言うんだ?」と。この言葉が使われる状況が分からなかったので、それを尋ね返すと、どうやら公演に来てくれたお客さんを威勢よくほめる時に使うらしい。今になって思えば、「ヤバイ」「サイコー」くらいが模範解答だったように思うけれども、その時はそれらに思い至らず、なぜか三波春夫の「お客様は神様です」が思い浮かんだ。そこでwikipediaのこのページを教えたら、ものすごく興味深げに読んでいた。

http://en.wikipedia.org/wiki/Haruo_Minami

そして、今日のライブで不意に「日本では"you are god"って言うんだ」というセリフが耳に飛び込んできた時、「やられた・・・」と苦笑いせざるをえなかった。

今日も長く充実した一日だった。

*1:一昨日にもライブがあった。彼は帰宅後、その日のパフォーマンスのリプレイを熱心に確認していた。昔芝居をやっていたせいか、このピリピリ感に親近感を覚える自分がいる。こんな家主と出会えるなんて、おそらく唯一無二の在外研究生活だな。今になって思えば、この家主と出会うために一か月の出発遅れがあったような気がしてくるから不思議なものだ。