10月10日をもって閉店するとのこと。河原町の丸善は学生時代からいちばんよく利用してきた書店だ。洋書の実物を手にとって中味を確認してから買えるのが大きな魅力だった。院生時代は貧乏なので、高価な洋書を買ってみたがハズレだった、というわけにはいかなかったのだ。京都市内の他の大型書店(ジュンク堂、旭屋書店、アバンティ、ブックファースト[=旧駸々堂])と比べると、店舗に空間的余裕や上品さがあった。文房具やファッションのフロアもあって、大人のムードがただよう店だった。そうしたムードのおかげか、落ち着いて本を物色することができた。今やamazonへの依存度が高くなってしまった僕には、閉店によって特に困ることはないのだが、やはり寂しいことはたしかだ。
http://www.maruzen.co.jp/home/tenpo/kawaramachi.html
ここ数年、河原町・木屋町界隈はどうも猥雑感が増している気がする。上品な老夫婦が立ち寄る空間ではなくなっている。丸善の閉店はそのことを象徴しているのではないか。