Neil and Rush and Me

Neil PeartのドラムとRushの音楽をこよなく愛する大学教員の日記(雑記)帳です。

DISC REVIEW: SNAKES & ARROWS LIVE / RUSH

腹筋3セット。BGMはこれ。

Snakes & Arrows Live

Snakes & Arrows Live

最新アルバムに伴うツアーの中から、2007年10月のオランダ・ロッテルダム公演を収録したもの。収録曲27曲のうち9曲がニュー・アルバムからの選曲で、現役バンドである続けることへの強靭な意志が伝わってくる。

1曲目「Limelight」は「いかにも」「なるほど」だが、2曲目「Digital Man」、3曲目「Entre Nous」は完全なるサプライズで、旧いファンほど狂喜乱舞するだろう。

9曲目の「Circumstances」も隠れ名曲で渋い選曲。

4曲目「Mission」は、『新約・神話大全』(1988)の演奏と比べると、同じライブ・バージョンでもずいぶんと機械的な冷たさが消えて、温かみと余裕に満ちた演奏になっている気がする。彼らが「進化」し続けるバンドであることを実感させてくれるナンバーだろう。

11曲目「Dreamline」は今や「The Spirit of Radio」「Tom Sawyer」「YYZ」と並ぶバンドの代表的(演奏しないことが許されない)ナンバーになっている。僕としてはそこまで思い入れのあるナンバーではないんだけど、この曲を歌うGeddyはいつもとても気持ち良さそう。きっと感情を込めやすい歌詞なのだろうな。

12曲目「Far Cry」は最新アルバムからの先行シングル。このドラムですよ。僕が心酔し続けているのは。passionate and intelligent.

18曲目「Natural Science」は、Rushの全ての楽曲の中で僕がいちばん好きなナンバー。メロディーとテクニック、静と動のコントラスト、スリー・ピース・バンドの可能性を極限まで追求した過不足ないアレンジ、何もかもが完璧。このナンバーをNeil Peartのように演奏できるなら、僕は演奏を終えた瞬間に絶命してしまってもかまわないと思うほどだ。

22曲目「Distant Early Warning」は、僕がRushにのめり込むきっかけとなったアルバム『Grace Under Pressure』(1983)のオープニング・ナンバー。学生時代、スタジオで練習したこともあるのだが、本当に演奏の難しいナンバーで、こんなに複雑なリズム・パターンをよく考えたものだなと、いまだに感心してしまう。自分が叩いているのが表のリズムなのか裏のリズムなのか、わからなくなってしまうのだ。

ともあれ、やっぱり僕はこのバンドが世界でいちばん好きだな。今年でファン歴も25年に達しようとしている。