Neil and Rush and Me

Neil PeartのドラムとRushの音楽をこよなく愛する大学教員の日記(雑記)帳です。

旧友の単著出版

自分が本を書いて出したから余計に気になっているのかもしれないのだけれど、最近、旧知の友人たちの単著出版が相次いでいる。活躍してくれればくれるほど、励みになる。

ヒトラーの特攻隊――歴史に埋もれたドイツの「カミカゼ」たち

ヒトラーの特攻隊――歴史に埋もれたドイツの「カミカゼ」たち

ベーシック・インカム入門 (光文社新書)

ベーシック・インカム入門 (光文社新書)

今日は休日。鞍馬に行く計画を立てていたのだが、空が今にも泣きだしそうだったので断念する。15時過ぎ、さすがにずっと家にいるのが嫌になってきて、散歩がてら近所の古本屋を回ろうと外に出た途端、空から水滴が落ちてきた。結局、終日自宅で読書することになった。

ここ数日(今日も)、阿部謹也北の街にて』をゆっくりとしたペースで読んでいる。小樽時代*1の回想記。

自分の内面に深く降りて行って何故自分がこのような課題に関わらねばならないのかを考えることから出発しない学問は私には無縁であった。若かったとき、私はそのような態度は当然のことであり、誰もがそこから出発しているのだと思っていた。どうもそうではなさそうだということが解り始めたのは最近のことである。
・・・大切なことは学問とは関係がないかに見える人や異なった学問を営む人と切り結べる関係を維持することであって、さまざまな学問分野の人が交錯し得るような関係を創らねばならないのである。(pp.238-9)

こういう文章が阿部さんの著作には頻繁に登場する。読むたびに勇気づけられる。僕も同じようなことを考えて生きてきたから。上に紹介した『ヒトラーの特攻隊』の著者Mさんは新聞記者だが、彼とのつきあいが僕の学問に人間的な広がりをもたらしてくれていることは間違いない。

ひとつの町に長く住むとその人の全人生に大きな刻印が押されることがある。私の場合の小樽はまさにそのような町であった。・・・私の学問に何らかの形があるとすれば小樽においてすべて形成されたのである。(pp.265-6)

僕にとってはまさしく京都がそのような町なのである。

晩酌の量が少し多かった。ダンベル1セットだけ。

*1:阿部さんは1965年から76年まで小樽商科大学に勤務した。