成人の日を含む3連休の初日の土曜日には、ゼミの恒例行事かつ最重要行事である「卒業論文報告会(最後の授業参観)」が開催される。今年の主役は8期生である。
17人もの報告者を擁した7期生に比べると、8期生はやや小規模で、全員で11名。しかも、現在カナダに留学中のS村君が参加できないため、報告者は10人。したがって、開始時刻を13時にしても(去年は10時半開始)、1人あたりの持ち時間を5分増やして25分(報告15分+質疑応答10分)にすることができた。
9組18名のご家族がご参集くださった。遠く福岡、岐阜からもお越しくださった。13時から18時までの5時間、熱のこもった報告と質疑応答が繰り広げられた。
恒例行事と言っても、毎年小さな変化が見られる。
- 今年から報告要旨を事前に(案内状に添付して)ご父母にお送りするようにした。昨年のアンケートに、そうしたらどうかという提案が書かれてあったので、早速実行に移した。
- 報告でパワーポイントを使用する比率が年々上がっていき、今年はついに過半数の6人が使用していた。
- 卒業生の総数が増えているから当然なのかもしれないが、報告会に顔を出してくれる卒業生の数も、年々増えてきている。去年は7人(6期生のみ)だったが、今年は何と19人もの卒業生が顔を出してくれた(2期生1人、3期生1人、5期生1人、6期生5人、7期生11人)。*1
オーディエンスの総数は、2期生(1)+3期生(1)+5期生(1)+6期生(5)+7期生(11)+9期生(10)+10期生(6)+ご家族(18)=53人であった。去年の56人には少し及ばなかったが、4回生の数の少なさを考慮すれば、大検討の数字だと言えよう。
実は今回は開催それ自体が危ぶまれた。職責上、今日は別の重要な行事に従事しなければならない可能性がかなり高かったのである。その行事の開催日が変更されたため、都合をつけることができた。本当に助かった。
報告会終了後、去年に引き続いて、6期生と豊津Gで鍋を囲んだ。今年は(突然の誘いにもかかわらず)2・3・5期生が参加してくれたおかがで、少しずつOB・OG会の趣きを呈しつつある。来年はこの輪をもっと広げてゆきたい。
本音を記すと、今年の報告会は僕にとって一種の「救い」であった。行政職の仕事があまりにも忙しくなり、ゼミ生の指導を満足のゆく形で行えない歯がゆさに、ここ数か月間苛まれてきた。自分のいちばん大切にしている仕事を犠牲にしなければならない状況に苦しんでいた。ストレスが原因なのか、体調(特に胃腸)もすぐれなかった。しかし、8期生が結果を出してくれたおかげで、何とか自分を責めずにすみそうだ。楽しくてたまらない時間だった。本当に救われた。
学生時代に芝居をやっていたせいか、今日みたいな仕事は演出家と舞台監督の仕事とほとんど同じように感じられる。そして、この種の裏方の仕事が僕はそもそも好きなのだ。嫌いではないとは前々から思っていたが、大好きだったことがわかった。やりたい仕事をやりとげた後に訪れてくる疲労の心地良さは格別である。
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*1:最初の卒論報告会(2005年1月)の実施に大いに尽力してくれて、今日の礎を築いてくれた、2期生ゼミ長K口君の6年ぶりの来訪は、とりわけ嬉しい。