著名なイタリア人古典派経済学研究者のSergio Cremaschi氏から、マルサスについての新著(Utilitarianism and Malthus' Virtue Ethics: Respectable, Virtuous and Happy )を公刊したとの宣伝メールが個人的に届き、たいそう驚いた。確かに、Cremaschi氏の研究は昔から(部分的ながら)知っているし、自分の論文の中で参照したこともあるが、直接の面識がなく、なぜわざわざ個人的にメールを頂戴できたのか、最初は首を捻った。しかし、「Cremaschi nakazawa」で検索してすぐにその謎が解けました。
何とCremaschi氏は History of Economics Review に載っている拙稿(2012)‘Malthus's Political Views in 1798: a "Foxite" Whig?’をその新しいマルサス論の中で参照してくれていた。しかもきわめて好意的に。マルサスの政治思想を a new kind of 'scientific' whiggismと規定する拙稿の見解を、Cremaschi氏は支持してくれていた。こんな嬉しいこと、光栄なことが、あるだろうか。
拙稿(2012)は、執筆開始から掲載まで10年以上も要してしまい(3つのジャーナルでリジェクトされ、4つ目のジャーナルにようやくアクセプトされた)、本当に苦労に苦労を重ねた論文だったが、その苦労も吹き飛んだ。報われた。
やはり英語で論文を書いて公刊することの影響力はすごい。世界中の研究者に読んでもらえる。昨日までは可能性のレベルにとどまっていたが、ついに現実のものになった。
明後日が46回目の誕生日だが、この上なく気持ち良い気分で迎えられそうだ。
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