Neil and Rush and Me

Neil PeartのドラムとRushの音楽をこよなく愛する大学教員の日記(雑記)帳です。

Parramattaへ(シドニー43日目)

フェリー上で自撮り


心身ともに休息が必要な状況だ。しかし、下宿にいると悶々としそうだし(それくらい昨日の論文リジェクトが悔しかった)、論文の改訂作業に手を出してしまいそうなので、外出することにする。さて、どこへ出かけるか? しばらく考えて、Parramattaへ行くことを決めた。

Parramataはシドニーの西部郊外に位置する街でCentral駅から快速電車に乗れば30分ほどで着く。ここには世界遺産に指定されているNew South Wales州の旧総督官邸*1がある。また、僕が2008年に人生初の英語での学会報告を行った街がこのParramattaである。出張最終日の朝に街の中を流れる川の岸辺を散歩したことが、不思議なくらい強く印象に残っている。思い出深い場所だが、2008年以来訪れていないし、その時には旧総督官邸を訪れていない。今年7月のHETSAの会場もParramattaだ。会場の下見にもなる。行ってみよう!

下宿からCentral駅まではバスで。Central駅から快速電車に乗る。電車の発車ホームは、2008年と同じ18番線。その時は「エイティーン」が「アイティ」に聞こえて理解できなかった。いきなりオーストラリア英語の洗礼を受けた。今では何も感じなくなってしまったが、懐かしい思い出である。

僕が普段通勤で使っている路線(Inner West Line)は昨日と今日、保線業務で運休ということだったが、実際に保線業務をやっている様子が車窓から見えた。

ダブルデッカーの車両はたいへん快適で、車窓の風景と合わせて、何だか京阪特急(特に萱島〜京橋間)に乗っているような気分になった。

Parramatta駅に到着。「この駅、こんなに大きな駅だったっけ?」と驚く。記憶がかなり曖昧になっている。かなり巨大な駅で、地下道で大型のショッピングモールと直結している。

駅前の明るい雰囲気は7年前とまったく変わらず。その時に何度か利用したセブンイレブンも健在。

まずは、7月の学会の会場であるAlphcrucis Collegeの場所を確認する。駅から徒歩で5分かかるかかからないかくらい。交通至便な立地だ。

このタイミングで昼食をとる。駅前のショッピングモールWestfield入口にある中華レストラン「Mr. Ping's 粥王」がたまたま目に入った。「満員でしかもお客さんはアジア系の方ばかりだ。これなら絶対に外れないだろう」と推察する。BBQポーク(10.8ドル)とワンタン・スープ(10.8ドル)を注文する。予想通り、大当たりだった。うまい。日本の物価を基準にすると高く思われるかもしれないが、シドニーの物価を基準にすると、この量と味でこの値段はかなり安いほうだと言ってよい。

腹ごしらえをすませて、いざ、旧総督官邸のあるParramatta Parkへ。公園は例によって広大で、「ここで娘を思う存分駆け回らせてあげたいなぁ」と少し切ない気分になる。遠くに見えるお目当ての旧総督官邸へ坂道をゆっくりと上りながら近づいていくプロセスが楽しい。ただ、オーストラリア国内で最古の公共建築物らしいのだが、「え、これが世界遺産!?」というやや拍子抜けな印象を抱いた。敷地内でレストランが営業していることもあって、ありがたみの度合いがどうしても低くなる(笑)。おそらく僕の鑑賞能力(taste)が低いせいだろう。

このまま帰宅するのではさすがに物足りないので、エンターテイメント色を高めるべく、電車でなくフェリーに乗って帰宅することにした。City〜Parramatta間にはフェリーの便がある。観光用でなく日常生活用だ。シドニー湾はとても入り組んだ地形であるため、昔からフェリー航路が「住民の足」として発達している。Cityまでの時間は電車の倍、約1時間かかるし、本数も1時間に1本(電車は1時間に4本)だが、今日は時間がたっぷりある。

Parramatta Parkからwharf(波止場)までParramatta Riverの河川敷公園を歩いたが、7年前に散歩したのはここだったんだ、ということを思い出した。

Parramattaという地名は、原住民アボリジニーの「うなぎ」を意味する言葉に由来するらしい。

wharfに到着すると、驚くほどたくさんの利用客がいて驚いた。いざ、乗船。

最初はこんな景色だった。

オリンピック公園のwharfに停車(停船)。

次第にこんな感じの景色になってきて、

さらにこうなり、

最後はこうなった。

さすがに歩き回り過ぎて疲れたみたいで、下宿に戻ってベッドの上で横になったら、そのまま宵寝してしまった。目が覚めたら22時を過ぎていた。

明日からまた研究に励もう。落とされてしまったマルサス&ペイン論をこれからどうするべきか? 正直、かなり迷う。落とされた最大の理由にもなっている、とある議論の欠如(レフェリー・コメントで指摘された)は、僕が今後深めたい議論の方向性と異なっているので、あまり深入りしたくないのだが。