Neil and Rush and Me

Neil PeartのドラムとRushの音楽をこよなく愛する大学教員の日記(雑記)帳です。

科研「啓蒙と経済学」研究会@東鴨川大

新しい科研共同研究「啓蒙と経済学・第2期」(2007〜9年度)がいよいよスタート。今日はその第1回研究会。研究代表者であるT中先生がトマス・リードについて報告。そして、研究分担者が当面の研究プランを披露。

2004〜6年度の科研「啓蒙と経済学・第1期」は英米圏の専門家による共同研究だったが、今回の科研は、仏・独・伊・日の専門家をメンバーに加えることによって、より広い視野から啓蒙思想と経済学成立との関係について探求することを目指す。

毎度のことながら、研究会(懇親会を含む)への出席は大きな刺激となる。それまでとまったく異なる研究の視座を獲得できることも多い。ただ、刺激を具体的なアウトプットに結びつけられないのが最近(ここ1,2年)の僕の情けなさであって、かなり焦りを覚えつつある。「研究会に出席するのも大事だが、それを我慢してでも原テキストと向き合う時間をもっと増やすべき」と耳元で囁くもう一人の自分がいる。

アウトプットが質量ともに自分よりもすぐれている同世代の研究者が身近に何人も出てきている。自分の生産性の低下の原因を彼らとの比較において考えてみると、原テキストとじっくりと向かい合う時間の圧倒的不足が原因であるように思う。

最近の僕は問題の立て方(絞込み)がとても甘い(今日自分の研究プランを披露した時にもそう感じた)。曖昧模糊としている。だから勉強する過程で関心が拡散してしまい、もともと自分が何をしたかったのかを見失ってしまう。生産性の高い同世代の研究者のアウトプットは問題設定も分析のロジックも鮮明だ。「ここに寄り道すると言いたいことがぼやけてしまうからあえて寄り道しない」という自制が効いている。彼らが僕と比べて特別に研究時間に恵まれているわけではないだろう。どこかで時間を工面しているはずだ。何かを我慢しているはずだ。

何かを変えなければ。このままでは落ちこぼれてしまう。