大学に行くつもりだったが、彦根出張の疲れと天候の悪さのために、自宅で仕事をすること切り替えた。今日は単著の第八章を執筆する。
第八章の元原稿は、今年5月の経済学史学会全国大会(@愛媛大)で報告した「ステュアート、スミス、マルサスと《需要定義問題》」である。報告の時点でフルペーパーをひとまず完成させていたわけだが、「マルサス『経済学原理』の形成史の論文としてはそれなりに評価できるけれど、イギリス経済学方法論史の論文としては弱い」というコメントをかなり多くの方々からいただいた。その点は僕も自覚していて、何とかしなければいけないとずっと思い続けていた。この元原稿はイギリス経済学方法論史をテーマとする論文集に収められる予定なので、方法論史の観点が弱いのは致命傷なのだ。
帰納と演繹の関係の理解が不十分だったために、この概念をうまく使いこなせなかったが、ここ数日の科学哲学の勉強でかなり理解が進んだ。丸一日かけて、帰納と演繹と需要定義問題との関係を論文の前面に押し出す大改訂作業を行った。それと同時に、第九章の議論の約3分の1を第八章へ移すことにした。作業は順調で、9割方を終えることができた。これで方法論史の論文としての見栄えがだいぶ良くなったように思う。9月15日からの研究会(@北大)にも気兼ねなく参加できそうだ。
『イギリス保守主義の政治経済学--バークとマルサス--』の執筆状況は、今のところ、こんな感じになっている。字数は注込み。抜本的な加筆・修正が必要な章は、残るところ三つ(第一・三・九章)となった。痩せこけてしまった第九章の議論をどうやって頑強にするかが、明日の課題となるだろう。
- 序章 12,000字
- 第一章
- 第二章 17,000字
- 第三章
- 第四章 17,000字
- 第五章 24,000字
- 第六章 20,000字
- 第七章 23,000字
- 第八章 30,000字
- 第九章
- 第十章 22,000字
- 参考文献リスト 18,000字
身体も心もやや荒みかけている。「休みたい」という気持ちと「休めない」という気持ちが頻繁に交錯する。
ダンベル3セット、腹筋4セット。