今日は日本に残している妻子に思いを馳せつつ、この本を読んでいた。わが身にも思いあたる節がありすぎて、ページをめくるたびにしばし苦笑、しばし反省。本当に身につまされる。
- 作者: 藤原和博
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2011/05/07
- メディア: 文庫
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一冊の本を一日で読み切ったのは、おそらく娘が生まれてから初めてのことだと思う(懐かしい感覚・・・)。もともとこの本は父親としての自分を見つめ直したいという私的な興味から手に取ったものだが、よく読んでみると、まったくの偶然ながら、「脱常識の社会経済学――あたりまえを問いなおす――」というnakcazawaゼミのテーマと密接に関係している。ここに書かれている「父親と子ども」の関係は「教員と学生」との関係にそのまま(いや、より適切に)あてはまるのではないか、と僕は考え始めている。
父というものは、自分たちの父親の真似をして子どもに常識を押しつける性なのではなくて、子どもとともに常識をくつがえしていくほうの性なのではないか。
子どもに刺激されながら、子どもとともに「なんか、変だなあ」という疑問を問いかけていく性なのではないか。
父らしくすることによって父になるのではなく、もっと子どもっぽく、常識と思われていたものに「なんか、変だなあ」爆弾を投げつけてしまうこと。
そのことによってこそ、父となりうる存在なのではないか。
私にはそんな気がした。(pp.250-1)