Neil and Rush and Me

Neil PeartのドラムとRushの音楽をこよなく愛する大学教員の日記(雑記)帳です。

授業アンケート

オフィス・アワーで3期生Y村君との雑談の後、4限「5期(2回生)ゼミ」、5限「特講2」、6限「経済学説史」。今週から来週にかけての2週間が授業アンケート期間なので、「特講2」で授業アンケートをとったが、予想をはるかに上回る好反応に僕自身がびっくり。「経済学説史」よりもはるかによかった。

アンケートを読んで印象深かったのは、関大経済学部生が決して理論忌避的ではないということ。彼らは理論と現実との架橋を求めている。「理論オンリー」が嫌なのだ。特講2では「教育の市場化」「教育における規制緩和」の実態(功罪)について話すことが多いのだが、それが受講者の強い関心を集めているみたいだ。「理屈ではそうなっているけど、実際のところはどうなのさ?」という問題意識が強い。

「実際のところはどうなのさ?」こう問いかける学生は、理論を忌避しているわけではないし、教員に唯一絶対の解答を求めているわけでもない。理論が実践に移される場面で様々な歪曲を被ることくらい、彼らだって十分に承知しているはずだ。彼らの問いかけの真意は、つまるところ、「先生、現実の経済に興味ありますか?それを意識して研究していますか?」という問いかけであるように思われる。こうした学生からの切実な問いに真正面から答えている大学教員がどれだけいるだろうか?案外少ない気がする。あるいは、少なくないにしても、学生にはそれが伝わっていない気がする。大学教員の皆さん、「最近の学生は・・・」と愚痴る前に、やるべきことはまだまだたくさん残されていますよ。新聞のデータベースを検索して、最近の興味深い関連記事を紹介するだけでも、講義の印象は相当に変わるはずだ。

今日の「経済学説史」でアダム・スミスの分業論について説明した際、キャノンの作業編成のあり方(セル方式http://www1.harenet.ne.jp/~noriaki/link71-3.html)はスミスの言っていることと違うのでは、という質問があった。しごく健全な質問だ。こうした質問をしてくれる学生がいるかぎり、関大の未来は安泰だろう。大切なことは、こうした質問の灯を消さないことだ。