Neil and Rush and Me

Neil PeartのドラムとRushの音楽をこよなく愛する大学教員の日記(雑記)帳です。

加西市史編集室を訪れる

一平のカツめし


旧友Yさんに引率してもらって、兵庫県加西市の市史編集室を訪れる。日本近世史の研究者であるYさんは、院生時代から加西市史の編集の仕事に携わっており、前々からその仕事を見学させていただきたいとお願いしていたのだが、本日ようやく実現に至った。

僕は兵庫県出身でありながら、加西市には足を踏み入れたことがない。Yさんから「遠いよ」と事前に知らされていたが、予想以上の大旅行だった。往路のルートはこんな感じ。

出町柳→(京阪)→東福寺→(JR奈良線)→京都→(JR京都線神戸線新快速)→加古川→(JR加古川線)→粟生→(北条鉄道)→北条町

8時過ぎに自宅を出たのだが、北条町駅に到着したのは11時半を過ぎていた。

加古川線北条鉄道も、平均して1時間に1本しか走っておらず、単線、列車は一両編成。北条鉄道に至ってはレールバスだった。Yさん曰く「いつも運転手は同じ人」。発車までの時間、乗客(7, 8人)と運転手さんが談笑している。みんな顔なじみのようだ。なんとまぁ、のどかなこと。これが北条鉄道レールバス

編集室でのYさんの仕事だが、僕が理解できた範囲内で説明させてもらうと(間違いが含まれているかもしれない)、●●家の蔵などから借り出してきた膨大な量の手書き文書の一つ一つに目を通して、市史の編集に必要なものと不必要なものとに分けて、必要なものについてはそれを活字へと起こして、解説文を付して、最終的に市史へとまとめてゆく。僕も18世紀イギリス史の研究者であるが、活字ベースの思想史研究者であり、手書き文書を読む作業には従事したことがない。そもそも読めない。そのための訓練を受けたことがない。しかし、大学で史料読解の授業を担当されているYさんは、手書き文書を読むトレーニングを当然のことながら受けている。「これは慣れですよ」と言いながら、僕には前衛芸術にしか見えない筆書き文書を手際よく読み解いていく。「これは農民が豪農にお金を借りた時の借用証書だね。使えるかもしれない」。そんなYさんの仕事ぶりを15時半過ぎまで見学させていただく。

作業の開始が昼前だったので、閉室時間の17時までじっくり作業を見学したかったが、今日は二人ともそのまま実家に帰省することになっており、しかも加西市から実家のある高砂市*1への直通バスが1日2便というとんでもない状況だったので、バスの時刻に合わせて作業を早めに終える。ご覧のように、加西から高砂へのバスは、6時2分、15時52分の2本だけ。驚愕の時刻表である。

僕とYさんは小学校の同級生、いわゆる「幼なじみ」である。二人が一緒に帰省できる機会はめったにないので、この機会を利用してYさんのご実家を20年ぶりに訪問させていただく。お母様にも20年ぶりに挨拶することができた。

僕が生まれ育った播州の名産は、そうめん、タコ、回転焼(御座候)などたくさんあるが、僕が特に好きなのが「カツめし」と「穴子」だ。どうしても食べたくなったので、家族を呼んで高砂市伊保町にあるお寿司屋さん「一平」*2にて夕食をとる。「カツめしと穴子のどっちを食べようか?」などと悩みたくはなかったので、迷うことなく両方を注文する。至福の時間。そのままその夜は実家に泊まる。疲れていたので20時過ぎには眠りに落ちる。「寝る前の10分に簡単ダンベル体操」はさすがにお休み。