Neil and Rush and Me

Neil PeartのドラムとRushの音楽をこよなく愛する大学教員の日記(雑記)帳です。

本を読みまくる

授業も会議もなく、久しぶりに自宅で研究に専念する。と言っても、本を読んで思い浮かんだことをメモしていただけなのだが。

まず、3分の1ほど読んだところで止まってしまっていた『社交する人間―ホモ・ソシアビリス (中公文庫)』を、残り3分の2(250ページほど)、最後まで一気に読み進める。山崎正和さんは尊敬し憧れる学者の一人だ。思考内容、思考スタイル、文体、すべてが自分にフィットする。山崎さんにはまったく及ばないけれども、他ならぬ僕自身も人生の短くない期間を演劇に捧げた。演劇関係者ならではの身体表現へのまなざしに強い共感を覚えずにはいられない。いつか(死ぬ直前でかまわないから!)こんな本を書いてみたいよ。一読では全貌を把握できない本格的な評論なので、近々再読しなければ。

続いて、同書で紹介されていたジェイン・ジェイコブズ市場の倫理 統治の倫理 (日経ビジネス人文庫)』を最初の100ページほど読む。この本も期待できそう。

そして、平井編『市場社会とは何か―ヴィジョンとデザイン』所収のN村論文「経済発展と不平等:ヒュームとスミス」とE頭論文「法人資本主義論:ハイエク」を読む。どちらも超刺激的な論考で、とても勉強になった。お礼のメールを書かなきゃ。

終日読書に耽ることができた。おかげでのべ400ページほど読めた。本当に至福の一日だ。今日みたいな日を週に2日は確保したいのだが、現実はそんなに甘くないよなぁ。

懸案のビジネス・エシックス論文は方向性がなかなか定まらない。労働・仕事を主題とすることは決まっているのだが、議論の足場にどこに定め、最終的にどこへつなげばよいのか。アイデンティティ? 教育? 分業? ルーティン・ワーク? 内部告発? 行儀作法? 他者との共感? 社交? 暗黙知? 身体? 技能伝承? モティベーション? 失敗を許す組織? 成果主義? スローライフ? サービス(ポスト工業)化? リスク社会? グローバリゼーション? 市場vs統治? まだ見えない。瞑想(迷走)中。毎度のことだけど。