Neil and Rush and Me

Neil PeartのドラムとRushの音楽をこよなく愛する大学教員の日記(雑記)帳です。

ベトナムあれこれ

ベトナムは公式には共産党による一党独裁が続いている社会主義国である。建国の父であるホー・チ・ミンの廟を訪れたとき、たまたま両手をポケットに突っ込んでいて、警備の憲兵から注意されてしまった。このあたりに社会主義国特有の厳格さは残っているような気がするのだが、それと公園にそびえ立つレーニン像を除けば、この国を社会主義国だと実感させるものとはまったく遭遇しなかった。

開放政策の採用によってこの国の経済は着実な成長をとげている。「HOTEL NIKKO HANOI」のすぐ下に「KFC」の看板が見えるこの写真から、この国が社会主義国であることをイメージすることは難しい。

経済成長の果実は必ずしも均等に行き渡っているわけではないだろうが、国民の大部分は日々暮らしが豊かになりつつあることを実感していて、現行の政治経済体制に満足しているように見える。それが治安の安定につながっているように思える。ガイドのHungさんも、「ベトナムは治安の良い国です」と言っていたけれども、それは本当だと思う。ハノイの街は賑やかで活気に満ちているが、「がめつい」感じはしない。勤勉さ・陽気さ・のどかさ・奥ゆかしさの絶妙なバランスを感じる。僕が大好きな雰囲気だ。古き良き日本をどことなく髣髴とさせる。特に夕暮れは。

帰国前の最後の晩に「TARA」というベトナム料理店で食べたフォー(PHO、ベトナムうどん)が素晴らしく美味しかった。日本の半額も出せば、身動きできないくらいまで食べられる。タクシー料金から推察すると、人件費は日本の10分の1くらいだろうから、「日本の半額も出せば」と言っても、現地の人の基準からすれば相当な贅沢をしていることになるから、一抹の罪悪感を感じてしまう。このあたりが僕の貧乏臭さだろうか。