明日は衆議院議員選挙の投票日だが、生憎出勤日なので、今日中京区役所まで足を運び、期日前投票をすませる。某公共放送局の出口調査を受けてしまった。
『イェルサレムのアイヒマン』を十数年ぶりに読み返しているが、映画で受けたものとはずいぶんと印象が違う。『イェルサレムのアイヒマン』では、映画の最後の講義シーンでアーレントが力説していた「考える」ことの大切さが、さほど強調されていない。十数年間に僕がアーレントについての特殊講義を行った際に大いに依拠した参考書は、川崎修『アレント―公共性の復権 (現代思想の冒険者たち)』と高橋哲哉『記憶のエチカ―戦争・哲学・アウシュヴィッツ』だが、前者ににおいては、そもそも『イェルサレムのアイヒマン』についての叙述がきわめて少ないし、後者においては「忘却の穴」との関連で『イェルサレムのアイヒマン』は論じられているにすぎない。十数年間に勉強した時、「考える」ことの重要性という論点を素通りしてしまったのは、おそらくそのせいだろう。おそらくサラッと読み流した程度だったのだろうな。やはり本は一度読むだけではダメだな。良い本ほど何度も繰り返して読まなければ。
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