Neil and Rush and Me

Neil PeartのドラムとRushの音楽をこよなく愛する大学教員の日記(雑記)帳です。

卒論指導の大改革

午前中は民医連で検査&問診、午後は某会議と5限の17期(4回生)ゼミ。

この日記ですでに断片的に記してきたが、今年の4回生(つまり17期生)から卒論指導の流れ・方法を抜本的に変えている。以前は基本的にこんな感じだった。

  • 個人執筆を原則とする。
  • 3回生の2月初頭までに卒論執筆プランを作成・提出する。それによって3回生秋学期のゼミの単位が認定される。
  • 就活ピークにあたる4回生春学期については、説明会や面接等のためにどうしても出席率が悪くなりがちで、地元に戻って就活するゼミ生も一部おり、そうした事情を鑑みて&各自の主体性を信じて、授業(就活相談と卒論書き方講座が中心)への出席は任意とする。各自が先のプランにもとづいて自分のペースで卒論初稿の執筆を進めることとする。
  • 4回生秋学期のゼミ開始までに卒論初稿12000字を提出する。それによって4回生秋学期のゼミの履修が認められる。
  • 4回生秋学期のゼミは卒論の中間発表に充てる。ゼミ生による相互チェックの場とする。

3年前くらいまではこのやり方でうまく行っていたが、一昨年あたりから突然うまく行かなくなった。プランを提出してから初稿提出直前まで(就活を格好の口実して)まったく勉強しないゼミ生が急に目立つようになってきたのだ。そもそも費やした時間が少なく、「少しでも良いものに仕上げたい」という情熱にも乏しい(=「単位さえあればいい」と考えている)わけであるから、当然のことながら、卒論の最終的なクオリティも著しく低下した。卒論報告会の開催を躊躇し、やがて断念するにいたった。具体的には15期、16期である。*1

このようなゆゆしき事態を受けて、就活中も学びから離れさせないこと、就活と同時進行で卒論のことを継続的に考えさせることの必要性を強く感じるにいたった。また、卒論のクオリティを引き上げるために、ゼミ生の興味を過度に尊重せず(興味だけでは書けない!)、ゼミでの学びの蓄積を活かせるテーマへとある程度誘導していくことの必要性も感じるようになった。そんなわけで、卒論指導の流れ・方法をこんなふうに大きく変えるにいたった。

  • 個人執筆にこだわらず、グループ執筆も可とする。その場合、過去の勉強の蓄積を活かすために、3回生の時に出場した大会のチーム・テーマで執筆することが望ましい。
  • 就活と両立しやすい(=出席しやすい)ように、春学期のみ、これまでの月曜4限でなく火曜5限に開講する。
  • 就活等で火曜5限に出席できない場合には、同じ週の木曜6限の補講への出席を義務づける。
  • 半期(春学期)かけてじっくりとプランを練り上げる。最終回のゼミでプランを提出し、それによって4回生春学期のゼミの単位が認定される。

最終的にどのような卒論が仕上がるのか、現時点ではわからないので、予断は禁物だが、17期生の4回生春学期ゼミへの出席率はきわめて高く、全19名の過半数が全出席であり、欠席がいちばん多い者でも3回にとどまる。就活中でも毎週最低90分卒論について学び考えてきたわけであり、この継続性が後々きっと大きな成果となって現れてくれることを期待したい。

終わり良ければすべて良し。2年半のゼミでの学びは卒論に結実する。復活した卒論報告会で17期生が有終の美を飾ってくれることを願ってやまない。きっと彼らならやってくれるだろう。

【9036】

*1:もちろんどちらの学年にも素晴らしい学生はいた。あくまで学年総体として見た場合の話である。