Neil and Rush and Me

Neil PeartのドラムとRushの音楽をこよなく愛する大学教員の日記(雑記)帳です。

社会思想史学会(2日目)

7時半に起床。ひたすら眠い。もう少し布団にもぐっていたい。昨夜はやはり最後の店が余計だった・・・。

9時から11時までセッション「スミスとヒューム」に出席。今回は昨年刊行された『デイヴィッド・ヒューム政治学』の合評会。著者の犬塚さんは、僕とほぼ同世代に属し(僕が3歳年長)、専門分野も比較的近く、関大の同僚のS里さんと共同研究をされているのだが、なぜかこれまでまったく面識がなかった。今回が実質的な初対面。本書は読者に圧倒的なパワーで迫ってくる大著であり、僕は本書から多くの知的興奮を引き出したが、著者と直接に意見を交わしたことで、本書に対する理解がいっそう深まった。こんなにすごい本が同世代の研究者によって著されるとは驚きだ。

セッション終了直後の自由論題報告「20世紀前半のポーランド政治経済思想」*1を聞きたかったのだが、体力的な問題で断念。それほどまでに疲労していた。結局3時間ほど休憩してしまう

14時から畏友H田さんのアダム・ミュラーに関する報告を聞き、最後にセッション「自由主義の射程:実践知と統治」。果たして院生二人の報告を架橋するような適切なコメントだったのか、はなはだ不安ではあるが、期待以上に盛会だったので、結果オーライとしておこう。N崎大のH野さんが提起してくださった「バジョットと帝国」という論点はとても重要だと思うので、Yさんはぜひ今後の検討課題にしてください。

自由主義」セッションのメンバーと岡山駅前で慰労会を兼ねた夕食会。京都の自宅には22時前に到着。疲労困憊で明日からの一週間が心配だが、とても有意義な2日間だった。

今回の学会でいちばん特筆すべきこと。アダム・スミス研究の世界的権威、水田洋先生。いまだに現役、驚異の86歳。今回の学会では報告もされた。すごい、すごすぎる。驚異的な知性、それ以上に驚異的な肉体。長時間のフライトをもろともせず、国際学会にも精力的に出席されている。「自由主義」セッションの裏だったので、先生の報告を聞きに行けなかったのが本当に残念。

デイヴィッド・ヒュームの政治学

デイヴィッド・ヒュームの政治学

近世ヨーロッパの東と西―共和政の理念と現実

近世ヨーロッパの東と西―共和政の理念と現実

*1:以下、報告者のN津さんへ。せっかくそちらから声をかけてくださったのに、聞きに行けなくて、まことに申し訳なかったです。一昨年の僕のコメントをご記憶いただき光栄です。『近世ヨーロッパの東と西』という魅力的な論文集があります。この本と出会ってポーランドへの関心がさらに高まっています。門外漢の僕でよければ、いくらでもコメントさせていただきます。