Neil and Rush and Me

Neil PeartのドラムとRushの音楽をこよなく愛する大学教員の日記(雑記)帳です。

ホント博士セミナー@関大

いつもは11時から施術をお願いしている整体だが、今日は午後のスケジュールがタイトなので、10時半から施術してもらった。終了後、大学へ直行。

13時半から17時まで(土曜日に続いて)ホントさんのセミナーに出席する。フランスの経済思想家ムロンに関するご報告。ホントさんによれば「ムロンを理解せずしてはスミスは理解できない」とのこと。貴重な機会なので2つほど質問をさせてもらったが、2つ目の質問をした際に、質問の意図がホントさんに正確に伝わらなかったために、やりとりがぎくしゃくしてしまった。質問の内容それ自体はシンプルなものだったので、おそらく僕の英語の発音が悪かったのだろう。ショックだな。

6限は「キノハチ研究会」。ニーチェ道徳の系譜』の最終回。脱落者なし、メンバー4名全員(4期生O田&N田、5期生T瀬&としや)が無事読了。学部2・3回生の頃の僕には『道徳の系譜』を読み通す力は100%なかった。4人の並々ならぬ頑張りに対して、心の底から賞賛の言葉を贈りたい。本当によく頑張った!

小学生が自分から「九九を習いたい」と言い出さないのと同じで、大学生が自分から「哲学古典を読みたい」と言い出すことはめったにない。しかし、それをやっても何の役にたつのかよくわからないからしない、という考え方はまったく間違っていると思う。万が一九九を知らないまま社会に出れば、予想もしない数々の不利益を被るはずだが、それと同じように、哲学古典を読み解いて社会に出れば、予想もしない数々の利益に恵まれるのだ。他人の議論の粗雑さに気づき、騙されなくなる。様々な観点から物事を眺めることができるようになるから、既製の価値観に縛られないようになる。精神が自由になる。精神が自由であることの喜びは、それを味わった者にしかわからない。山頂からの眺めの素晴らしさは、実際に山に登った者にしか味わえないのと同じだ。

これまでゼミ生と一緒に読んだ古典的テキストは、プラトンソクラテスの弁明・クリトン』、ウェーバー『職業としての政治』、デカルト方法序説』、レヴィ=ストロース『悲しき熱帯』、そしてニーチェ道徳の系譜』。来年はルソーかカントでも読もうかな。

ゼミ生諸君、リクエストがあればどうぞ。

ソクラテスの弁明・クリトン (講談社学術文庫)

ソクラテスの弁明・クリトン (講談社学術文庫)

社会契約論 (岩波文庫)

社会契約論 (岩波文庫)

道徳形而上学原論 (岩波文庫)

道徳形而上学原論 (岩波文庫)