Neil and Rush and Me

Neil PeartのドラムとRushの音楽をこよなく愛する大学教員の日記(雑記)帳です。

気になるテレビCM

だったら僕を見直して!


普段はテレビを見る機会などほとんどないのだが、この一、二ヶ月は、病気静養だったり、引越し準備だったりで、家にいる機会が多かった。そうなると特に見たい番組もないのについテレビをつけたままにしてしまう。

そんな折り、かなり前からオンエアされているCMだと思うのだが、気になって仕方がないCMがある。KDDIメタルプラスのCMだ。篠原涼子が家計簿を見て、「ああ、節約しなきゃ」ってため息をついていると、ピンク色の電話機が「だったら僕を見直して!」と涙目で訴える、あのCMだ。

ピンク色の電話機がかわいいというのもあるのだが、それだけではない。眠っていた固定電話への特別な思いが呼び覚まされるのだ。

携帯電話が普及しはじめたのは、僕が大学に勤務し始めてからである。つまり僕の学生時代の人づきあいのほぼ100%は電話機を介してのものだった。そうせざるをえなかった。飲み会の日程調整をする場合、わざわざ友人の自宅に電話して、ご家族にとりついでもらう必要があった。異性の友人の場合などは特に気を遣わねばならなかった。

今は携帯電話の時代。こんな面倒なことに煩わされる必要はもはやない。しかし固定電話については誰しも面倒さゆえの甘酸っぱい思い出を多かれ少なかれ持っているのではないか? 我が家の電話機はかれこれ十数年使っている。コミュニケーションツールの主役として大車輪の活躍をしていた時期もあっただけに、ただの機械に特別な思い入れを持っている自分がいることは確かだ。彼こそ僕の学生時代の出会いと別れのすべてを知っている唯一の存在なのだから。

KDDIのCMを見ると、つい自分の電話機のほうに目を向けてしまう。「お前もそう思っているのか?」と心の中で尋ねてしまう。