Neil and Rush and Me

Neil PeartのドラムとRushの音楽をこよなく愛する大学教員の日記(雑記)帳です。

第3回ヨーロッパ経済学史学会・日本経済学史学会合同会議@コルシカ大学

質疑応答中。頑張ってます。


7泊8日の学会出張から本日帰国した。出張先は、フランス・コルシカ島のコルシカ大学。第3回ヨーロッパ経済学史学会・日本経済学史学会合同会議(ESHET-JSHET)に参加(含む研究報告)してきた。

国際学会・シンポジウムに参加して報告するのは今回で5回目だが、フランス語圏を訪れるのは今回が初めてである。その意味で今回の出張は僕の好奇心をかなり刺激してくれるはずだったのだが、出発直前まで別の原稿の執筆に追われて精神的な余裕が乏しかったことに加えて、コルシカ大学が日本からあまりにも遠く、出張期間の半分以上を移動に費やすという旅程になってしまったので、最後の最後までなかなかテンションが上がらなかった。*1

とにかく遠かった。遠すぎた。コルシカ大学のあるコルテはコルシカ島のほぼ中央に位置する人口約6000人の町。そこにたどり着くのに、関空アムステルダム〜ニース〜バスティアというルートを空路で(乗り換えが2回)、そして、バスティアからコルテまでの山道をバスで(約1時間半)。あまりの長旅ゆえ(往路で40時間以上、復路では60時間近くもかかった)、到着した時点ですでにかなり疲労困憊してしまった。

↓宿泊ホテル

↓会場のコルシカ大学

↓buffet lunch(フランスということで昼間からワインが出される。しかしなぜか白ワインは出されない。)

自分の研究報告(マルサス論)そのものは、準備時間の不足に悩まされたわりには、まずまずのできだったように思う。過去4回と比べていちばん違うのは、初めて質疑応答を普通にこなせたことだろうか。質問者全員が英語ネイティヴでなかったので、聞き取りやすかった。今回の経験は大きな自信になった。*2欧米と日本におけるマルサス研究の傾向の違いを理解してもらえたことが嬉しかった。質問者の一人、Jérôme Langeさんと親しくなれたことは、今回の出張のいちばんの財産だ。

学会最終日に数時間だけ自由時間ができたので、バスティア空港行きバスの出発時刻までコルテの街を観光する。コルテはとても風光明媚な土地だったが、あまりにも遠いので、「ぜひもう一度訪れたい・・・」という気分には(今のところ)なれない。



↓観光用のpetit trainは驚異的な運転技術を誇る。

復路は飛行機の乗り継ぎがとても悪くて、バスティアで一泊、ニースでさらにもう一泊することを強いられた。どちらもわずか十数時間の滞在。何とももったいない。

↓夕暮れのバスティアの浜辺。学会メンバーと地中海を望む。

↓旅にトラブルはつきもの。浜辺近くのレストランで夕食をとったのだが、帰りのタクシーがどうしてもつかまらず、宿泊ホテルまで8キロ(約1時間半)の道のりを徒歩で戻るはめに。しんどかったけど、満点の夜空を楽しめた。天の川が美しすぎた!

バスティア空港でS. C. Bastiaの選手とたまたま一緒になった。

↓ニースの宿泊ホテルからニース港までは自力でバスに乗る。港行きのバスだから、港に連れて行ってくれることは確実。1ユーロで乗れたのに、間違って4ユーロも支払ってしまった。3ユーロ分のバスチケットが手元に余っている。

↓ニース港。リッチなムードが漂っている。

↓ニース港のレストランで「フィッシュ&チップス」を注文したら、こんなものが出てきて、びっくり仰天。たしかに「フィッシュ」だが・・・

↓日本では見ないアクエリアスのオレンジ。

夜、別のレストランで片言のフランス語を使ったら、それが通じて、とても嬉しかった。一昨年に少しだけフランス語を勉強したことが、少しだけ役に立った。僕はとても単純な人間なので、この喜びに後押しされて、フランス語の勉強に今後励むかもしれない。

コルシカ大学のスタッフの方々の至れり尽くせりの歓待は感動もので、心から感謝している。しかし、(繰り返しになってしまうけれども、)とにかく遠かった、疲れた。明日から仕事かぁ・・・

*1:イギリスにはこれまで何度も訪れているが、「初めての大陸ヨーロッパだ!」などと喜んでいたら、大陸のほうではなかった(苦笑)。

*2:だだし、英語が通じたのは大学内だけ。コルテの街で英語はほとんど通じない。