ここ十数年、論文を書くのはもっぱら大学(研究室)だ。経済学部の教員とはいえ、僕は基本的に歴史家なので、論文の執筆には大量の参考文献・資料が必要なのだが、それらを自宅にストックしておくことはスペース的に不可能だ。たまに必要と思われる文献を何冊か持ち帰って自宅で書くこともあるが、調子の良い時ほど想像力が飛翔するので、「この方向で書くほうが面白そうだな。よしよし。一気に書いてしまえ。ええと、この方向で書き進めるにはあの文献が必要だな。家にあったっけ? ない!(涙)」ということがしばしば発生し、そこで執筆が中断してしまう。こんなわけで、講義も会議もない日でも、原稿の執筆だけのために大学へ行くようになった。特に論文の幹の部分を書き進める時には。これが長年慣れ親しんだパターンだ。
しかし、17日に妻子が帰ってくる。娘はまだ三か月にもなっていないから、さすがに手がかかる。年末年始休暇の数日、娘と一緒に過ごしたけど、妻がどれだけ大変な毎日を過ごしているのかが本当によくわかった。できるだけ家にいる時間を長くして、妻の仕事を手伝えるようにしたいと思っている。しかし、現状では、家にいると原稿が書けない。2月末締切の原稿を2本抱えているので、さすがにそれでは困る。残り一週間ほどで、自宅で執筆できる環境を整備しなければならない。
今日はその整備の第一段階として、文献の大々的な入れ替え作業を遂行する。自宅の本棚のスペースは限られているので、当面不必要な文献を自宅から大学へ、必要な文献を大学から自宅へ。ネット上では読めない論文については、コピーをとってファイルリーフで整理する。この作業だけで日が暮れた。
ハイエク論文集の最終原稿ファイルを提出。帰宅後、3月末の仙台出張の飛行機・ホテルの予約を完了。