Neil and Rush and Me

Neil PeartのドラムとRushの音楽をこよなく愛する大学教員の日記(雑記)帳です。

院祭に顔を出す

院祭(院生合同学術研究大会、12月1日〜3日)も今日が最終日。一日くらいは顔を出そうと思って出校する。

午前中は種々の雑務。3期生卒業論文報告会(来年1月7日に実施)の案内状をゼミ生のご父母に発送したり、「特講2」のレジュメを作成したり。

13時に5期生M谷さん・M本さんが次回のゼミの報告の相談にやってくる。「・・・について議論したい」というテーマは決まっているものの、(噴出するであろう)様々な意見をどういう方向でまとめていくのかについては、練りこみが足りない。新聞・雑誌データベースから関連記事を拾ってあげて、いくつかのサジェスチョンを与える。

15時から17時まで院祭の講演会。大阪商業大学の下山先生が「〈南部化するアメリカ〉と〈アメリカ化する日本〉を考える」というテーマでお話しされた。専門外の院生が多数参加しているのを意識されていたのだろう、初心者にも親しみが持てるよう工夫された内容だった。大国アメリカの生い立ち(特に南部の奴隷制社会)を語りつつ、最後は「この大国と今後どうつきあっていくのか」という大きな問題を提起された。僕が専門的に研究しているエドマンド・バークは、アメリカ独立革命と深い関わりを持った政治家・思想家なので、とても興味深く聞かせていただいた。講演会後の懇親会にも参加させてもらった。普段は交流する機会のほとんどない他分野の院生と交流できたのは貴重な経験だった。

去年の院祭にも僕は顔を出した。大学院に進学した1期ゼミ生U村さんの修士論文の報告があったからだ。その時に見学に来ていた教員は僕一人だったし、今日も僕一人だった。何だかさびしい。最近の大学の多忙さが尋常でないことは十分に承知しているつもりだが、「院生を研究科(教員全体)で育てよう」というムードがもう少し高まって欲しいなぁ。一部の教員の個別の努力には限界があるから。

院生の皆さんにもあと少しの積極性が欲しかった。学会報告ではなく講演会なのだから、特に下山先生が講演時間を削って質疑応答の時間をたっぷり設けてくださったのだから、講演者にどんどん質問するべきだったように思う。そうやって場数を重ねることによって、質問力は鍛えられていくものだし、またそれはご足労いただいた講演者に対する礼儀でもあるだろう。