Neil and Rush and Me

Neil PeartのドラムとRushの音楽をこよなく愛する大学教員の日記(雑記)帳です。

LOUDNESS (2)

RE-MASTERPIECES ~ザ・ベスト・オブ・ラウドネス~

RE-MASTERPIECES ~ザ・ベスト・オブ・ラウドネス~

まずこれからLOUDNESSに再入門した。

#1-3, 5-13は1980年代に録音・発表された名曲のリマスター。#4, 14は2001年に発表された再結成第1弾アルバム『SPIRITUAL CANOE』からの選曲。#15はマイク・ヴェセーラ時代の名曲を二井原のヴォーカルで再録。

80年代の曲としては、他に「LOUDNESS」「SPEED」「LIKE HELL」なども収録して欲しかったが、名曲が多すぎるので、1枚モノで網羅するのはそもそも無理な話。リマスターの効果は大きい。自分が持っているリマスター前のCD(『DISILLUSION』)と比べてみると、違いは歴然。楽器一つ一つの音の輪郭がとてもクリアになっている。#6は思い切り初期RUSHしている。#3は80年代のアメリカン・マーケットを端的に表現している曲。まったくもってJOURNEYである。高崎のギターが音もフレーズもNEAL SCHONそのものなのが笑える。この曲は別の曲にさしかえてもらってもよかった。#10は山本リンダの「どうにもとまらない」に似てる。まさしく日本のロック。#13のギターのバッキング・フレーズ(特にBメロ)は鳥肌モノ。

再結成後の2曲が80年代の名曲と比べてまったく遜色のないのが素晴らしい。#14は音像がDREAM THATERなのに、ヴォーカル・ラインがどこまでも日本的なのがよい。このアルバムだけに収録されている目玉曲#15の二井原のヴォーカルは超人的なド迫力。この曲だけのためでも買う価値がある。

その次に聴いたのはこれ。80年代の名曲を2004年のLOUDNESSがセルフ・カヴァーしたもの。どの曲も基本的に原曲に忠実に、しかしよりワイルドにブルータルにラウドにリメイクされている。二井原の声質や歌い方、高崎のギターの音色やソロのフレージングはかなり変わってしまっているので、聴き手によって好みが分かれるだろうけれど、僕は今のヴァージョンのほうが好きかな。昔のヴァージョンは線が細く聞こえてしまうんだよね。「高さ」「速さ」を追求することで手いっぱいな感じ。今のほうが音に自信が漲っている。とりわけそれは#10に顕著だ。#13はリメイクされてもやはり突然変異的な曲。いろいろな要素がごった煮で、よく1曲にまとまったと思うし、こんな曲を20年以上も前に書いていた彼らはやはりすごい。#7はまたしても山本リンダで、#8は初期RUSHだ。「SPEED」をニュー・ヴァージョンで聴きたかった!