Neil and Rush and Me

Neil PeartのドラムとRushの音楽をこよなく愛する大学教員の日記(雑記)帳です。

オーストラリア旅日記(その1:Parramatta到着まで)

6泊7日(機中1泊)のオーストラリア出張から帰ってきました。「オーストラリア」と言っても、実際はシドニーにしか滞在しませんでしたが、人生初のオーストラリア体験です。今回の出張の目的は、このブログで何度も書いてきたように、HETSA2008(オーストラリア経済学史学会2008年度大会)に参加してマルサスに関する研究報告をするためです。これまでも海外の学会には幾度か参加したことがありますが、もっぱら拝聴するだけで、自ら研究報告を行うのは今回が初めてです。初めてづくしの出張となりました。

もともと海外旅行にはどちらかと言えば消極的なほうで(飛行機が好きでない)、初めて訪れる土地ということで浮足立っていたのでしょうか、シドニーに到着するまでの時点で、すでに失態の連続でした。ウインドブレーカーを紛失してしまい*1、しかも、本来ならばシドニーで受けるはずの入国審査を間違えてブリズベンで受けてしまいました。いやぁ、情けなかった。

学会は7月8日から11日までの4日間にわたって開催されました。大会本体は9日から11日で、8日の夜にreceptionを兼ねたpartyが催されました。マルサス学会(7月5日)との兼ね合いで、7日の夜に関空を発ちブリズベン経由で8日の昼前にシドニーに到着する便しか利用できなかったため、シドニー国際空港に到着して数時間後には学会が始まっているという、かなり体力的にきついスケジュールになってしまいました。

大会会場はThe University of Western SydneyのParramattaキャンパスです。*2Parramatta地区はシドニーの西方郊外に位置しています。シドニー国際空港が羽田空港なら、Parramattaは三鷹荻窪といったあたりに相当するでしょうか。Internatinal Airport駅からParramatta駅までは、Central駅(名前の通りシドニーの中心部にある)で列車を乗り換えて、乗り換え時間を含めて1時間から1時間20分といったところです。

到着早々、オーストラリア英語の洗礼を受けました。Internatinal Airport駅から列車に乗って、Central駅で下車し、駅員さんにParramatta方面行きの電車のプラットフォーム番号を尋ねたのですが、その返事がどうしても「IT」に聞こえるのです。何度聞き返しても「IT」としか聞こえない。しかし、文脈上数字を表しているのは違いないので、推理を働かせてみて、ようやく気付きました。「eighteen」でした。オーストラリアではたいていの場合「エイ」は「アイ」と発音されるのでした。実際、18番ホームに移動したら、Parramatta行きの列車が入って来ました。*3

シドニーはオーストラリア最大の都市ですが、それでも人口は300万ほどしかありません。しかも、Parramatta地区はその郊外ということもあって、日本の大都市と比べると人がすごく少ないという印象を受けました。日本や他のアジア諸国の大都市に見られがちな「人、人、人」という圧迫感がまったくありません。むしろ、少し便利な田舎町にやってきたような感じです。とても緑が多くて美しい町で、一目で気に入ってしまいました。

シドニーは真冬ですが、日本人の感覚では11月中旬くらいで、日中はさほど寒さを感じません。気温も15度くらいまで上がります。ただ、夜はかなり冷え込みます。コートを持参したのは正解でした。

物価は日本よりは高いですが、イギリスほどではありません。目についたのは、コンビニで売られているペットボトルのジュース類が3.5ドルほどもして、カフェで売られているコーヒーなどとさほど値段が変わらなかったことです。クリスプ1袋とペットボトルのジュースを1本買って日本円で600円を超えるわけですから、さすがに割高感はあります。ただ、4ドルも払えば相当に巨大なハンバーガーが食べられるので、このあたりは日本と変わらない。普通のレストランで満腹食べても40ドルほどしかかからない。これは安い。日本並み。ロンドンだとまずい料理なのに倍は取られるでしょう。僕が泊まったホテルは1泊で100ドル、つまり、約2万円。これよりも安いParramattaのビジネスホテルを(日本で)見つけることは難しかったです。現地に到着してからB&Bを探すという手も一瞬考えたのですが、リスクが高すぎるので今回は諦めました。列車・バス・フェリーすべてに利用できる1週間有効のパスが50ドル前後。これも安いんじゃないかな。どうも特定の品目だけ高いみたいですね。

Parramatta駅の近辺はこんな感じ。

宿泊したホテルの裏手には緑地公園が広がっています。川にはフェリーも走っていて、シドニーのCity Centreまでつながっています。

道端に自生する野葡萄です。

特にParramattaらしい光景ではありませんが、日本のセブンと同じ看板が目についたので、つい撮ってしまいました。

こういう看板を見ると、国境線の存在を意識しなくなりますね。いずこも同じ・・・。

*1:紛失場所が関空のロビーだったのかブリズベン行きの飛行機の中だったのかすら覚えていません。シドニー行きの便に搭乗する直前に気づきました。

*2:正確にはキャンパスに隣接するホテルの会議室

*3:その後も、「decade」が「ディカード(≒でっかいぞ)」と聞こえるなど、オーストラリア英語には苦労させられました。