Neil and Rush and Me

Neil PeartのドラムとRushの音楽をこよなく愛する大学教員の日記(雑記)帳です。

南山大学社会倫理研究所研究会@南山学園研修センター

昨年7月16・17日に引き続いて、南山大学社会倫理研究所の合宿研究会「ガバナンスと環境問題」に参加する。

昨日と今日の2日間、朝から晩まで濃密な議論を行った。僕は初日(昨日=8日)の第2報告「マルサスの経済発展段階論の再検討――農工バランス論の史的起源――」を担当した。今回の報告原稿を仕上げるためのかなりの労力を費やしたが、できあがった原稿には結果的にかなり満足している。討論者を務めてくださったM宮陽介先生とは(著作は何冊も読んでいるものの)今回が初対面であり、先生の面識を得られたことは大きな財産である。

文理融合の異種格闘技戦であり、フィールドワーカーも多数参加されていたため、自分の言葉が相手に通じない論点も時々あり、ストレスを感じたわけだが、それでも収穫のほうが多かったことは間違いない。(僕がマルサスを通じて描き出した)農業中心の経済発展のヴィジョンと、フィールドワーカーたちの実践報告との間には、思った以上に大きな懸隔があり、その隔たりを埋めてくれる別の何かが必要ではないか、という印象を強くした。S藤修先生のような実証的な経済史家のお仕事だけでは埋まりきらない懸隔のように思われるのだ。ソーシャル・キャピタル論・都市論・景観論の専門家の参加が新たに必要ではないだろうか?

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