Neil and Rush and Me

Neil PeartのドラムとRushの音楽をこよなく愛する大学教員の日記(雑記)帳です。

YES, Heaven and Earth

往復14時間のバスは普段じっくり聞くことのできなかったCDを(WALKMANであるが)じっくり聞く機会を与えてくれた。たくさんのCDを聞いたが、YESのニューアルバム、Heaven and Earthがとりわけ印象に残った。

今年でデビュー45周年を迎える超ベテラン・バンドだが、このニュー・アルバム、ここ10年、いや20年でいちばんよくできたアルバムではないか。そんな印象を持った。看板ヴォーカリストのJon Andersonの不在(代役としてJon Davidson)により、どこか「YESであってYESでない」雰囲気が残ることは確かだ。時としてJellyfishやStarcastle(笑)のようにも聞こえる。しかし、何度も聞き返してみると、これはやはりまごうことなきYESのアルバム。

Ritchie Blackmore's Rainbowになぞらえるならば、Chris Squire's YESといった趣き。過去のアルバムでは、TormatoOpen Your EyesLadderに近い気がするが、一曲一曲のクオリティがそれらよりも高い。Chrisが得意とするどっしりとしたミディアム・ナンバーが並んでいるが、Chris自身が曲作りに関与したナンバーは2曲しかなく、他の6曲はChris以外のメンバーの筆によるものであるのが意外なところだ。それくらいアルバム全体の統一感がとれている。それでいて、単調さに退屈させられることはない。メロディーは美しく、アレンジもよく練られている。たまに聞こえてくるYES特有のスリリングな絡み合うテンション(特に8曲目、僕はPerpetual Changeを想起した)が、他のYESもどきのバンドから一線を画している。

メンバーの4/5が還暦超え(ヴォーカルのJon Davidsonのみ40代)なのが信じられないほど、繊細かつ力強い音像。どこまでもYESらしいアルバムであり、何度も繰り返し再生したくなる。超お気に入りの一枚になってしまった。

Heaven & Earth

Heaven & Earth