Neil and Rush and Me

Neil PeartのドラムとRushの音楽をこよなく愛する大学教員の日記(雑記)帳です。

奇跡的なイベント:所属(していた)劇団の同窓会

現在の稽古場(入口)


11月29日のブログに「研究者生活25年目、千里山大教員生活20年目という節目の年でもある2017年が、わが人生で最良の年となることがほぼ確定した。息子、家、バーク本、海外査読誌・・・これ以上何を望み得よう!」と書いたが、そんな特別な2017年をさらに彩ってくれるイベントが本日実現した。大学時代に所属していた劇団(演劇サークル)のメンバーとの初めての同窓会である。一つ上の代の座長Yさん、一つ下の代の座長Tさんのご尽力によって、奇跡的なイベントがついに実現したのだ。

ドラムと演劇は自分の人生を語るうえで絶対に外せない。どちらも中学生時代に関わりを持ち始め、中断期間をはさみながらも、現在も小さくない関係を保ち続けている。本務校で軽音楽部と劇団の顧問を務めている。また、ゆったりとしたペースながらバンドでドラムを叩き続けている。お芝居を観るのは今でも大好きで、一昨年のシドニーでは熱心に観劇した。

大学時代、演劇に膨大な時間と労力を注ぎたくさんの泣き笑いを経験しつつも、学問への道を捨て去らず両立を貫けたことは、大きな自信となって自分の人生をずっと根底から支え続けている。出会えて良かった、やって良かったと思える演劇。この人たちと同じ時間を過ごすことなしでは今の自分はなかった。そう言い切れるからこそ、機会があればもう一度お会いしたかったが、お会いできないまま25年の時間が経過していたわけである。

僕が大学に入学したのは1988年だが、86年入学生から91年入学生まで6学年総勢16名が集った。所属していた劇団が現在も存続しているということで、Yさんが現役生と連絡をとり、ホール(劇場)や稽古場を見学させてもらえた。30年近く年齢の離れている現役生の丁寧な対応(次回公演の一週間前にもかかわらず稽古風景まで見せてくれた)にいたく感動した。25年前の記憶が瞬時に蘇り、体温が上がった(ような気がした)。現役時代に一緒に舞台を作ったメンバーとは旧交を温めることができたし、現役時代にさほど交流のなかった先輩とも不思議なくらい話が弾んだ。

個人的にとりわけ感慨深かったのは、一つ上の学年の卒業公演「島影、はるかに」(1991年2月)の情宣ビラを四半世紀ぶりに見られたことである。僕は3回生の終わりで、役者として出演させてもらったが、稽古の過程でトラブルが多発し、通し稽古を一回も行えないまま本番を迎え、結局、ビデオも写真もまったく残されていない。(この情宣ビラ以外には)記憶の断片しか残っていない、まさに「幻の公演」なのである。ただ、なぜか演劇が最も楽しかった、不思議な充実感に包まれていた時期で、次回公演「ルナティック」(1991年4月)で僕は脚本・演出を務めることになる。

かつてない高揚感に包まれた一日であった。