授業も会議もない貴重な火曜日だが、授業1週目ということで、「要配慮」学生への対応に追われる。「要配慮」学生というのは、コロナ禍の影響などにより、キャンパスに来られない(対面授業を受けられない)学生のことで、学生によって置かれている環境が相当に異なるため、細やかな対応が求められる。大学から対応マニュアルのようなものを渡されているが、それに当てはまらない場合も多く、個別に判断するしかない。僕の場合、学部生2名、大学院生1名、合計3名の対応が必要となった。ここでは後者についてだけ書くことにする。
僕が担当する大学院の授業(カテゴリーとしては講義だが実際はゼミ形式)に「要配慮」学生1名の履修があった。履修者がその学生1名だけなら、配慮としてはZOOMによる遠隔授業へ切り替えるだけですむのだが、自分の指導ゼミ生(複数)が履修しているため、その1名だけのために全面的に遠隔授業へ切り替えるわけにはいかない。指導計画が狂ってしまう。ハイブリッド(対面・遠隔併用授業)は昨年7月16日に一度試してみて、ゼミ形式の場合には授業としてほとんど成立しないことを経験ずみであり、絶対に避けたい。その「要配慮」学生は勉学意欲がたいへん高く、指導教員からも「学びの機会を何とかして与えてあげて欲しい」と強く要望された。まさしく(経済学でお馴染みの)トレードオフ状況である。かなり試行錯誤した結果、自分の指導ゼミ生の厚生を下げないことを優先すると、その「要配慮」学生1名のために別枠で授業時間を設ける以外に解決方法がない、という最終判断にいたった。
授業負担がさらに増してしまう(僕自身の厚生は下がる)のは厳しいが、学生側に罪はなく、大学側のルールに則った正当な履修登録なので、教育を与えないわけにはいかない。やる気の高い学生を教えられるのはありがたいことである。ただ、2021年度はコマ数的に過去最大の授業負担となっており、学内委員もヘビーなものばかり3つも重なってしまっている。新年度開始6日目にして早くも首が回らなくなりつつある。例年以上に創意工夫して手際よく仕事を進めないと、本当に首が回らなくなって、ぶっ倒れてしまう。
17時くらいから研究室で、板書を中心とした授業が遠隔(ZOOM)で苦労なくできるどうかを練習してみた。英書のテキストを使用するので、文法的に難しい文章については、文構造を図示して説明する必要があるためだ。PCに外付けしたカメラで撮影した板書は、やや画面が粗いものの、授業の視聴には問題のないレベルだ。ZOOMであれば、授業終了後、授業を動画撮影したファイルを復習用に学生へ送ってやるのも簡単だ。
途中、顧問を務めている軽音楽部の部長との面談もあったりして、学生対応に明け暮れた1日であった。来週の火曜日こそ、自分の研究を少しでも進めたい。ロシア語の勉強は帰りの電車の中で1時間ほど(既習事項の復習のみ)。
さて、いよいよ明日から、教員組合副委員長としての仕事も始まる。
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