Neil and Rush and Me

Neil PeartのドラムとRushの音楽をこよなく愛する大学教員の日記(雑記)帳です。

28年目のマルサス『人口論』

通勤電車往路で『はじめてのドイツ語』(二巡目)を200ページ(全284ページ)まで。復路で『これならわかる ロシア語文法』(二巡目)を56ページ(全381ページ)まで。

日中は研究室で福井県立大学集中講義「西洋経済史」(8/21-25)の講義ノートの作成に勤しむ。一昨年も担当した集中講義だが、講義内容を一昨年から大きく変更し、「マルサス(1766-1834)の『人口論』(1798)を一次資料として批判的に読み解きながら、イギリスの産業革命期(18世紀後半~19世紀前半)における経済発展の基本的過程を、特に人口問題とその背景にある経済思想との関連に重点を置いて検討する」(シラバス「授業概要」↓より)*1ことにしたため、講義ノートも一から作り直す必要が生じた。

svc3.jim.fpu.ac.jp


僕がマルサスをバークと並ぶ自らの研究対象とするようになったのは、1996年にマルサス学会大会が京大で開催され、その受付を手伝ったついでに勢いで入会してしまったことがきっかけだが、そんな奇妙な縁で『人口論』を読み始めてから、今年2023年ではや28年目。これまで何度通読したのかわからないくらい、読みこんでいる文献であるが、それでも再読のたびに新しい発見があるのがすごい。今日もまさにそうした発見のオンパレードであった。本当に不滅の大古典であるな。『人口論』の邦訳は何種類も存在するが、僕がいちばん好きなのは中公文庫版(永井義雄訳)である。

大学では研究室にこもっていたために誰とも会わず、結果的に一言も言葉を発しなかったが、自分の仕事に集中でき、地味ながら充実した1日だった。

新しい研究業績である書評「John Pullen, The Macroeconomics of Malthus」(『経済学史研究』65-1, 2023年7月, pp.90-91)*2が公刊されたので、researchmapを更新する。

帰宅後、録画(東映チャンネル)していた「仮面ライダーブラックRX」第47話(最終回)を観る。結局、何だかんだ言いつつ、全話観てしまったな。50年たってもテレビっ子の本性は変わらず。

【6460】

*1:"Economic History in Europe and America" という講義名(英字)は僕が付けたものではない。英語として明らかに不自然である。"Western Economic History" に修正してもらいたいものだ。

*2:研究業績には含まれないが、委員長としてとりまとめた研究奨励賞の講評も同じ号に掲載されている。