Neil and Rush and Me

Neil PeartのドラムとRushの音楽をこよなく愛する大学教員の日記(雑記)帳です。

ピクニック at ハンギング・ロック

夕食後はのんびりとDVDを楽しむ。『ピクニック at ハンギング・ロック』を見る。

一言で言えば、「ファンタジックなテイストを含んだサスペンス/ホラー」だろうか。1900年にオーストラリアで実際に起こった女生徒失踪事件を映画化したものなのだが、失踪の謎は最終的には明らかにされない。謎解きだけを期待すると、拍子抜けしてしまう。幻想的でエロティックな色彩美と背中合わせの狂気を、そして、その狂気が少しずつ世界に染み渡ってゆく有様(校長先生の人格破綻など)の恐ろしさを味わうべきだと思う。僕はE.A.ポーの「アッシャー家の崩壊」を思い出した。好き嫌いは分かれるだろうけれど、僕にはお気に入りの作品の一つ。*1最近のDVDには英語字幕つきのものが多いが、本作にはついていなかったことが惜しまれる。英会話の教材に利用したかったから。

ガルブレイスが亡くなった。僕は熱心な読者ではなかったけれど、本当に偉大な学者だったと思う。この場を借りて、哀悼の意を表します。

*1:数あるレヴューの中で秀逸だったのがこれ。http://www.hf.rim.or.jp/~noble/tansaku/picnic.html