Neil and Rush and Me

Neil PeartのドラムとRushの音楽をこよなく愛する大学教員の日記(雑記)帳です。

書評原稿を編集委員に提出

午前中、書評原稿の最終的な手直しを行い、午後に編集委員に添付ファイルで提出した。これで「長い8月」がようやく終わった。

今回書評した『An End to Poverty?: A Historical Debate』という本は、救貧思想と共和主義思想との知的関連という僕にぴったりのテーマを扱っているので、書評執筆それ自体はとてもやりがいがあった。けっこう難しい英文で読み進めるのに意外に苦労したが、謎解きのようでもあり、それなりに楽しい作業でもあった。

ただ、8月31日締め切りという時間の制約と3000字という字数の制約のため、書きたかったことを書ききれたわけではない。この本は英仏両国における救貧思想の展開について論じているのに、イギリス中心にまとめざるをえなかった。もう少し時間と字数があれば、『貧困と共和国―社会的連帯の誕生』などで不足ぎみのフランスに関する知識を補って、両国での展開を対等に論じることができただろう。

こうした点は心残りだが、ものは考えようで、書ききれなかったことがあれば、後で書き足して完全版として再度発表すればいいだけの話だ。最近は何でもこのようにポジティブに考えるようにしている。