Neil and Rush and Me

Neil PeartのドラムとRushの音楽をこよなく愛する大学教員の日記(雑記)帳です。

2008年を総括する

大活躍の加湿器くん


大掃除の後、PCに向かい、2008年の総括を書き始める。

さて、2008年はどんな年だったか? 一言で言えば、研究者として大いに飛躍できた一年だったように思う。

昨年の秋、准教授から教授への昇進審査があった。昇進に必要な研究業績本数を揃えるために、ここ数年、かなりのプレッシャーと戦いながら、教育と行政の合間を縫って、何とか研究を続けてきた。無事に審査をパスし、いったんプレッシャーから解放された。4月に職階が上がった。これ以上、職階が上がることはない。研究者の職階としてはゴールしてしまったことになる(実は全然ゴールではないのだけれど)。しかし、まだ定年まで二十数年もある。研究者生活はまだ折り返し地点にも達していない。新たな目標が必要だった。それが、僕の場合、国際学会における英語での研究発表であり、単著の執筆だった。

どちらもかなりの労力を要する仕事であり、結果的に仕事に没頭する一年となった。今年ほど働き続けた(遊ばなかった)年はない。途中までは前年から抱え込んでいた膨大な量の仕事と(ここに書けないような)大小様々なトラブルが重なって心身ともに疲弊し、「やっぱり無理だ。人生最悪の一年だ。これが厄年なんだな」と思っていた。しかし、秋以降、しんどさの意味合いがまったく変わってきた。「その気にさえなれば、こなせるんだ」という自信に変わってきた。「教育(講義やゼミ指導)が研究の犠牲になってしまうのではないか・・・」と危惧していたが、何とか大きな穴をあけずにこなすことができた。大小様々なトラブルも何とか乗り越えられた。自分が以前よりも能力的に向上し精神的に強くなっていることを実感できた。

自分でもよく頑張れた・踏ん張れたと思う。どこからそんな力が湧いてきたのか、不思議で仕方がない。非常に面白いことに、こんなふうに「攻め」の姿勢を貫いていると、人間関係が拡大する。自然と人が集まってくる。僕も「会いたい」から何とか隙間の時間を捻出してでも会おうとする。研究者間の交流も、ウェッブ夫妻なEさん、ファーガスンなAさんをはじめ、新たな広がりを見せた。ゼミ卒業生との交流もなぜか一気に活況を示した。東京支部での同窓会も開催できた。

2008年の充実は、「無理しないで無理した」こと、つまり、体調管理に成功したことが大きいように思う。身体に負荷のかかる無理な生活をかなり続けたことは確かなのだけれど、僕の場合、気管支の悪化から体調を崩すのがパターンなので、秋以降、加湿器を自宅でも研究室でもフル稼働させた。帰宅時のうがい(イソジン)も欠かさなかった。少しでも熱っぽいと感じたら、その日は仕事を早めに切り上げて、葛根湯を服して、すぐに寝床に入った。無理できる時にしか無理しなかったのである。おかげで風邪とは無縁の生活を送り、体調不良による欠勤・休講はゼロである。これは社会人としては当然のことなのだけれど、当然のことをきちんとこなせたことは嬉しいし、大いなる自信となった。

茨木生活はとても便利なのだけれど、1年半以上かけても、(鴨川河川敷のような)リラックスできる空間、毎日通いたくなるようなカフェを見つけることができなかった。鴨川で読書していたら、散歩中の近所の犬が寄ってきて、飼い主さんと友だちになってしまうような生活が、僕にはどうしても必要だ。機能性だけでは満たされない大切な何かに気付かされた1年でもあった。2009年は本厄にあたる年なので、できるだけストレス・フリーな生活を送りたい。そのために京都復帰を決意したと言ってよい。通勤はしんどくなるけれども、その疲労を補って余りある何かがあの土地にはある。できることなら、一生、京都に住み続けたいと思う。

今年も拙い文章をお読みくださって、どうもありがとうございました。2009年は1月末に京都復帰、2月末に単著公刊と、年始早々から変化の激しい年となりますが、3月以降は落ち着くはずですので、研究者生活に関する事柄以外に、京都(特に出町柳界隈)の風物について淡々と綴ってゆけたら、と思っております。

それでは、皆さん、どうか良いお年をお迎え下さい。1月5日から更新を再開する予定です。