Neil and Rush and Me

Neil PeartのドラムとRushの音楽をこよなく愛する大学教員の日記(雑記)帳です。

第39回近代思想研究会

http://wwwsoc.nii.ac.jp/jcspt/news/index.html

第39回近代思想研究会のご案内

関西大学をキー・ステーションとする近代思想研究会では、前回は、小林直三氏(関西大学非常勤講師)には、「中絶権の再定位に関する考察――妊娠中絶に関する米国の保守化を踏まえて」と題して、自己決定権の問題を米国における理論動向をもとに検討していただきました。中村隆志氏(関西大学大学院法学研究科博士課程)には、「フィリップ・ペティットの共和主義理論――リベラリズムの企図と政治参加」と題して、ペティットの共和主義理論の特色を解明していただきました。

さて、今回は、「自由主義を問いなおす」という共通テーマの下でお二人にご自身の研究成果を報告していただきます。自由主義をテーマとして取り上げるのは、冷戦崩壊後の現代世界において、新自由主義が席巻し、急激な社会変動を引き起こしているので、自由主義の歴史的範例を明らかにしつつ、検討していく必要があると考えたからです。イギリスにおいて自由主義がどのように生成・発展していったかを考究することは、そのための一歩になると思われます。中澤信彦氏(関西大学経済学部、経済思想史)には、マルサスをとおして保守主義を、リベラリズムとの対抗関係からではなく、啓蒙主義自由主義思想の一つのヴァリアントとして捉えなおしていただきます。山中優氏(皇學館大學社会福祉学部、西洋政治思想史)には、ハイエクドラッカーファシズム論を手がかりに、二人の思想を比較することによって自由主義を問いなおしていただきます。イギリスの政治思想の源流に遡ることによって、現代の新自由主義市場原理主義のはらむ問題と自由主義の本来のあり方を示すことができればと考えています。多数の方々にご参加いただければ幸いです。

日 時:2010年11月20日(土)午後2時30分〜5時30分
場 所:関西大学千里山キャンパス 尚文館4階406演習室
テーマ:《自由主義を問いなおす》
報告者:
 中澤信彦氏(関西大学経済学部)「「保守」主義者としてのマルサス
 山中 優氏(皇學館大學社会福祉学部)「ハイエク自由主義ドラッカー保守主義――両者のファシズム論の観点から」

世話人(50音順): 寺島俊穂 土倉莞爾 安武真隆

こんなわけで、第39回近代思想研究会にて研究報告を行った。学部は違うものの同じ大学で同学年の山中さんとは旧知の間柄であるが、学会・研究会で一緒に報告するのは実は今回が初めて。新鮮だった。

研究会の出席者は8名で、多いとは言えなかったが、議論の質それ自体は十分に満足のゆくものだった。2名の学部生が出席して議論に積極的に加わってくれたことは、たいへん喜ばしいことであった。

たくさんの本が話題にのぼった。

ハイエクの政治思想―市場秩序にひそむ人間の苦境

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政治における合理主義

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不完全性の政治学―イギリス保守主義思想の二つの伝統

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共和主義ルネサンス―現代西欧思想の変貌

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「経済人」の終わり―全体主義はなぜ生まれたか

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隷属への道

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