一昨日、ゼミ生主催の「おかえりなさいパーティ」で、「オーストラリア滞在中のいちばん大きなトラブルは何でしたか?」と尋ねられた。単に「困ったこと」「不便だったこと」であれば、「お風呂に入れなかったこと」になるが、「トラブル」となると、やはり「財布を失くしたこと」だろうか。
より正確に言えば、「財布を失くしたこと」それ自体ではなく、キャッシュカードの発行先(銀行口座を持っている)の某メガバンクがキャッシュカードの再発行に応じてくれなかった(代替サポートもなかった)ことが最大の危機だった。一緒に失くしたクレジットカードがゴールド契約だったおかげで、クレジットカード会社は迅速に再発行に応じてくれた。再発行カードでキャッシングのサービスが利用できた。もしそのサービスがなかったら、シドニーで一文無しになり、在外研究生活のすべてがぶちこわしになっていた。
海外仕様のキャッシュカードなのに、海外でそれを失くすと、それを海外で再発行してもらえない。何のサポートもない。カスタマーサービスにフリーダイヤルで問い合わせても、「再発行のためには口座のある日本の支店までご本人に出向いていただく必要がございます。詳細は支店直接お問い合わせください」って・・・はぁ!? そもそも帰国のためのチケットを買うお金がないし、それ以前に、再発行手続きのためだけに帰国させるという考え方が非現実的だろうに。そんな非現実的なルールをいまだに振りかざしていること自体が信じられない。某メガバンクにも彼らなりの言い分があるのだろうが、それでもあえて問いたい。顧客が真に求めるサービスが何なのかをわかっているのだろうか?
30年近くその口座を継続的に利用し、世間的に見ても決して少なくない金額を預金(普通・定期)している、それなりの優良顧客だと自分では思っているのだが、先方には関係なかったようだ。なかなか厳しい仕打ちをされてしまった。この日本最大の某メガバンクから、今年、わがゼミ生が内定をいただいたようだ。「いい会社から内定をもらったね」と素直に言えず、指導教員として複雑な気分である。